思い出
23ページ / 29ページ


「おにーさん、秋津って言うの?」


名札を見た彼女が言う。


「ああ。秋津侑希や」

「私は沢木水夏。美しい夏で、ミカだよ」

「水夏、ね…」


そう呼んでやると水夏は嬉しそうに笑い、

持っていた花束から1輪のバラを取り出す。


「手当てと、話を聞いてくれたお礼だよ。

 ありがとう、と卒業おめでとう」

「ありがとさん」


花を受け取って軽く抱き締めると

水夏は顔を真っ赤にして慌てた。


「あかん、本気で慌てとるわ」


からかわれた事に気づいた水夏は

俺に散々文句を言い、時計を見ては

慌てて荷物をまとめる。


「じゃあね──(=゚ω゚)ノ──ッ」


水夏は俺に軽い挨拶をして

「遅れるーッ」と叫びながら去っていった。




 ──────── これが、



俺と水夏の最初の出会い ───




Avant / Ensuite


* 栞 *

* 章 top *


* おハナシ *
ALICE+