もう一つの姿
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「宝祥さん?」
「秋津さんも…」
「100期レギュラーだ!」
(え?何なに…?)
辺りがものすごいどよめきと、全員の視線が
憧れとかそういうものに満ち溢れている。
そんなの気にしていない風に彼は閑を見た。
「今日の練習試合は高尚学院だと聞いていたが?
伏見…」
「すみません。嘘の報告をしました」
閑は頭を下げて謝る。
「俺が頼んだんですよ、コーチ。
驚かせたかったもので」
「宝祥…」
「とはいえ、練習を見ていた限りではとてもいい
仕上がりだとは思えませんが?」
「そうか…」
コーチは少し哀しげな顔をして言った。
「まぁ、あの頃のテニス部を率いたお前の目だ。
そうなのかもしれないな」
「まぁええやん。俺等は現役ちゃうし、
そのくらいのハンデがあっても
かまわんのと違う?」
「現役じゃなくても、俺は負ける気しないぜ。
侑希」
「奇遇やなぁ、那音(ナオト)。俺もや」
4年前。
侑希と稜瀬(リョウセ)那音はダブルスを組んでいた。
しばらく会っていなかったとは言え、
その関係はあの頃のままだ。
「お前等だけじゃねぇの?
テニスから離れてたのは」
「僕達は続けてますしね」
中原哲哉(ナカハラ テツヤ)、立花浩太(タチバナ コウタ)
共に大学に進学し、テニスを続けてきた。
「私は七海さんに呼び出された時に」
桐生拓巳(キリュウ タクミ)。
彼は事あるごとに呼び出されて
テニスの相手をしてきたらしい。
「えー?俺そんなに呼び出したかなー?」
そして七海翼(ナナミ ツバサ)。
本人はそれほどでもないと思っているが、
拓巳を呼び出した回数は結構あったらしい。
「お前ら好き勝手やってんじゃねぇ!
始められないだろうが。さっさと並べ」
幸の一喝で全員が並ぶ。
「そういう訳ですのでコーチ。
今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」と、
全員で頭を下げる様は、端から見て
圧倒される勢いだった。
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