嫉妬と妻の立場
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正面玄関に差し掛かった頃、

向こうから歩いてくる人を見つけた二人は

足を止めた。


「お?宝祥に、秋津じゃないか」


そしてそれは相手も同じだったようで、

目の前で足を止め、話し掛けてくる。


「お久し振りです」

「ホントに久し振りだな? 卒業以来か?」

「そやな。でも、結構経つけど理恵ちゃんは

 相変わらずみたいやなぁ?」


(────── !?)


いきなりの名前呼びにびっくりしたものの、

幸が敬語を使っているトコロを見て、

この人は先生なんだろう、と水夏は推測した。


「理恵ちゃん言うな!…ってまぁお前に言うのも

 久し振りだけどな。秋津も変わらないな」

「何言うん。男前になったなぁ、くらい言いや」

「男前は元からだろ?

 今更そんな言葉がほしいのか?」

「そやなぁ…いらんわ」


きっぱりと言った侑希に、

先生は「だろう?」と言って笑った。


「お前等もあれか?高津先生のために?」

「そうです」


話を聞くかぎりでは、今日は『高津先生』の

送別会のためにお世話になったメンバーが

集まっていろいろやる、らしい。


そこに自分がいてもいいのだろうか?


(他校生だし?)


と、いう疑問が浮かぶが、幸も何も言わないので

いいのだろうと勝手に解釈。


「あの頃のメンバーが集まるか…

 それはさぞかし喜ぶだろうな」

「ま、喜んでくれたらええんやけどなぁ…」


そんなセリフを聞いた先生は

ふっと懐かしそうなやわらかい笑みを見せる。


「去年の忘年会だったかな…懐かしそうに話して

 おられたよ?あの頃が一番だったってな。


 滅多にそんな事を言わない人だろう?

 随分驚いたが…納得したな、私も」


先生の言葉を聞いて黙り込んだ二人を見て

水夏は思う。


(私ももっと大切にしなきゃ…)


でも ──────────




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