嫉妬と妻の立場
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「けどまぁよかったわ。
これで俺も心置きなく報告できるし」
「何だ?彩瀬(アヤセ)の事か?」
「「!!?」」
二人の表情が驚きのそれに変わる。
しかし先生はそれに気づかずに話を進める。
「この間偶然理事長にお会いしてな、
少し話をしたんだ。
その話の中で彩瀬が近々戻ってくるんだ、と
喜んでおられた」
(…彩瀬…?)
「戻って来るだけにしては
それ以上に喜んでいたように思えたし」
(って…誰?)
「少し前にそれらしい事をおっしゃっていたし、
やっと認めてもらえた、とかか?」
「いや、そうやなくて…」
言いようのない不安がわいてくる。
「お前ら美人同士でお似合いだが、あれだけの
美人だ。ちゃんと気を付けてお…」
「美袋先生!」
幸が独走状態の先生のセリフを遮る形で
大きな声を出したのはその時だった。
「…宝祥?」
「その話はもうそのくらいにしておいて下さい」
その時、美夏は幸と目が合った。
(もしかして、私のため…?)
「そやなぁ…。
俺もそれ以上はイジメんといてほしいわ」
侑希を見ると、額においた手で
顔を隠しているように見える。
水夏はその姿に軽いショックを受けた。
「いじめ?」
「理恵ちゃん、俺なぁ…水羽(ミズハ)とは
もうずいぶん前に終わってるんや…」
(───── !!!)
呟くように告げた言葉。
それはこちらまで切なくなってしまうような…
そんな声。
(彩瀬、水羽、さん…)
彼女は侑希にとって
とても大切な人だった、
のかな…?
今でも名前を呼ぶだけで
切なくなるくらい好きだった、
のかな…?
私と結婚してもよかった、
のかな ───── ?
いろんな思いが頭の中を駆け巡った。
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