平穏が奪われる予感

同じ頃、デデデ城の城門付近に着陸した ―着陸というには大胆な前のめりで、宇宙船の前方が地面に突き刺さっているが― ホーリーナイトメア社のロゴが小さく描かれたエンブレムがついた宇宙船の前には、メタナイト卿とソードナイト構えていた。

衝撃音の後、すぐに駆け付けブレイドにカービィを使いに出したが、騒ぎを聞きつけたデデデ達が来てしまうかもしれない。

デデデが来るとなるとややこしくなりそうなのでメタナイトとしては早く処理したいが、中から誰かが出てくる気配は一向にない。


「…なかなか出てきませんね」

「こちらの出方を待っているのだろうな」

相手がホーリーナイトメア社の生き残りか、それとも新たな敵なのかもわからない以上、迂闊に手出しもしたくはない。
しかし、このままお互いが様子見では、話をややこしくする連中が増える。

メタナイトは数秒悩んだ末、隣にいる部下を見た。

「相手が出方を待つのならそれに乗ってやろう、行けるか、ソード」

「はっ」

ソードは頷き返すと、着地時に歪んだ扉の隙間から宇宙船に侵入する。

船内は破損した内部の破片とチラシのような紙が大量に散らばっている。音を立てないように傾いた床に足を付くと、奥から無機物が焦げつく嫌なにおいと、遠くて聞こえにくいがガチャガチャと何かが動く音を感じた。

耳を傾けると、甲高い鳴き声も混ざっているようだ。
ソードは息をひそめ、どんな相手が現れてもすぐに応戦できるよう、剣を強く握りしめた。



◇ ◇ ◇


数十分前、
目的の星にたどりつき、ププビレッジを目指していた〇〇〇は愕然とした。


「え、嘘っ!うそうそうそ!?
ターミナルがないっ!!??なんで!?」


宇宙船が着陸する用のターミナルがないのだ。

ターミナルだけではない、空港やヘリポートなどの空から船が着陸するためのところが見当たらない。
そもそも、平らに舗装された場所が無いではないか。

「草原ばっかりじゃない!!
どこよ!デデデ陛下のお城は!!」

目的地座標を何度も確認したが、この殺風景な場所がププビレッジだと表示されるだけ、
ここが本当にホーリーナイトメア社の一番お得意様と言っていいほどの資産持ちの領地なのだろうか。

信じられないものを見る目で火山の上を通り過ぎ、森、草原、小さな集落を通り過ぎると、とうとう城らしき建物にたどり着いた。

「これ、お城よね…?でもここにも離着陸できるような場所なんて…中にあったとしても…。うーん」


城の周りは道中と変わらぬ草地、塀内には舗装されている場所もあるかもしれないが、アポイントメントもとってない相手先敷地内に許可もなく入れるわけなく、堀の上を往生するしかなかったが、燃料の残量的にもそろそろ腹をくくらなくてはいけなくなった。

「こんなとこ着地できるの…?ううん、やるしかないよね」

そうやるしかないのだ、この草地に…どんなど田舎でもホーリーナイトメア社の大切なお客様のご自宅だ。
カスタマー支援選抜の私がやらずに誰がデデデ陛下のお役に立つのだ。

よしっ、と手汗まみれのハンドルを握り直し、マニュアルを開く。

大丈夫順番通りにするれば問題ないと言い聞かせ、離陸時と同様指さし確認しながら着地を試みた。


「反重力モーター作動…機体をまっすぐに…そのままゆっくりと降下し…

ぅぎゃっ!!」


強い衝撃と共に体が制御パネルにつっこむ、デデデ城のある崖は斜めった丘なっていた
教習所の広い平面での着陸しか行ったことがないペーパーパイロットには、滑る草地の丘への着地はレベルが高すぎた。

地面へ突き刺さった前方は潰れ、前のめりに倒れこんだ〇〇〇の身体はエアバックに弾かれ操縦席に叩き戻される。
後頭部を激しくぶつけしばらくの間意識を失った。


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