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ユリはこのあと荷物が置いてあるコンパートメントに行こうとしたが、フレッドとジョージが「ユリを一人にしてたらまたはぐれるだろ?ユリは駅に着くまでは俺たちと一緒」とうるさかったので仕方なく荷物を持って二人のところに行くことにした。双子と一緒に(ロンは違うコンパートメントに行った模様)コンパートメントに荷物を取りに行った。そこのコンパートメントの中に入ると、偶然ロンが座っていたのに驚きがありつつもユリが先ほどまで一緒にいた眼鏡の男の子も一緒だった。
「ロン、ここにいたんだね。」
「まあね。」
「おい、ロン!」
双子がロンに声をかけた。
「なあ、俺たち、真ん中の車両あたりまで行くぜ。リー・ジョーダンがでっかいタランチュラを持ってるんだ」
「分かった」
「ついでにユリもな」
「それはあなたたちが来いって言うから」
「そのユリは俺たちとはぐれただろ?」
意地悪そうなニヤニヤして言うフレッド。一方ジョージは眼鏡をかけた少年を見て言った。
「ん?君、もしかしてハリー・ポッターかい?」
「え?」
「ああ、うん。そうだよ、僕ハリー・ポッター」
どうやらその眼鏡をかけた男の子はハリー・ポッターというらしい。彼の名前を聞くと双子はポカンと口を開けたまま、ユリは目を見開いたままの間抜けづらな顔をしていた。しかし、最初に口を開いたのはユリだ。
「私、ユリ・シルフィよ。私も貴方と同い年だから仲良くしましょう!あ、今あなたの横にいるのはロナウド・ウィーズリー。」
「ロンでいいよ」
「私はユリでいいよ。それと、ハリーと呼んでもいい?」
「もちろんさ」
ハリーはロンだけではなくユリというかわいい女の子と友達になれて、内心ドキドキした。しかし、黙っていられないのがこの双子である。
「俺たちはフレッドとジョージ・ウィーズリーだ」
「ユリは俺たちのお姫様だから。そこんところお間違えなく。」
「じゃあな、また後でな。」
「ユリ、荷物持ってあげるよ」
ジョージとフレッドはユリの荷物をそれぞれ持った。
「ハリー、ロン!後でね」
ユリは双子と一緒に真ん中の車両へ行った。その頃残されたハリーとロンはこんな会話をしていた。
「ユリって可愛らしい子だね。」
「そうか?僕はユリと長い付き合いになるけど、特別可愛いって思ったことないな。おっちょこちょいだし。」
「もうユリとどのくらい付き合いになるの?」
「4歳の頃にユリが僕の家に来てからもう7年くらいだ」
「でも、フレッドとジョージユリのこと凄く可愛がってるのが伝わったよ」
「あいつらのユリ愛は家族の誰よりも凄いんだ。」
「君はユリのことどう思ってるんだい?」
「普通にいい子だよ。いつもママの手伝いをするから料理は上手いし、あと妹の面倒もいいな。よく寝る前に絵本読んであげてたからさ。」
「そうなんだ。」
それからハリーとロンはお菓子を食べながらいろんな話をした。ここでロンがジョージに教えてもらった魔法をハリーに見せようとしたとき一人の男の子が泣きそうな顔をして入ってきた。どうやら、ヒキガエルがいなくなったらしいとのこと。しかし、ハリーとロンは見てないというとその男の子は残念そうに立ち去った。その数分後、今度はふわふわな髪の毛をした女の子が入ってきた。彼女もまたヒキガエル見なかったかと聞いてきた。ロンが杖を持っているのを見て女の子は「魔法やるの?やって見せて」と言った。
「お陽さま、雛菊、とろけたバター......このネズミを黄色に変えよ」
ロンは自身のペットである鼠のスキャバーズを黄色に変えようと呪文を言いながら杖を振ったが、何も起こらなかった。結果、女の子に「その呪文あってるの?全然聞かないみたいだけど。私は簡単な呪文をやってみたけど、ちゃんと効いたわ」とロンを小馬鹿にしたように言った。それから女の子はハリーとロンに長々と話してまたヒキガエル探しに出た。
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