ツナのホウレン草添え

朝から晩までみっちり扱かれ体力を限界まで削られ、男女の違いの問題で精神力も限界まで削られた合宿が終了し。一日オフ日を挟み、いつも通りの練習が始まる朝のこと。
 開始十分前には全員揃い、あちらこちらでアップする姿をクルリと見回した高尾が小首を傾げて緑間に声をかけた。


「なあ、真ちゃん。テッちゃんがまだ来てねーみたいだけど」
「ふん、寝坊でもしたのだろう。弛んでいるのだよ」
「んなわけねーの分かってんだろ? あ、」
「言ってる傍から来たのだよ」

「おはようございます。あの、拾いました」

『は?』


 真っすぐ体育館へ来たのか、制服のままの黒子。その手には大きなダンボール箱があり、そのせいかその場にいた全員が気づくことができた。そしてサラリと告げられた言葉に、これまた全員が間の抜けた声を上げたものである。


「テッちゃん、拾ったってなに?」
「この子です」

『ぅみゃーおぅ』

「ブフォオオオオオオオオ! 子猫っ」
「通学途中でぽつんと置かれたダンボール箱に気づいてしまいまして、つい」
「ついって、ブハッ、まあ分かるけどっ」
「ホイホイ拾ってくんじゃねーよっ」
「そうは言いますけど清志さん、一匹でみゃーみゃー鳴いていたら見過ごせません」
「ぐっ、そりゃあ、まあ、分からんでもねーが」
「つーかこの子猫、真っ白で青い目で……、誰かに似てね?」
「……」
「……」
「……」

『あっ! 黒子だーー!!』

「え?」
「ブフォ、ヤバイっ、目が黒子とちょー似てる! てか同じっ」
「高尾っ、このバカ! 余計なことに気づきやがって、戻すに戻せなくなるじゃねーか!」
「ちょ、宮地さんってば、また捨てて来いと!?」
「清志さん、酷いです」
「仕方ねーだろっ、これから部活なんだから!」
「そうなんですけど、誰か飼える方が居ないかと……」
「てか、真ちゃん。隅っこで何してんの?」
「き、きき、聞くんじゃねーのだよっ!?」
「オイッ、緑間が震えてるとか。どーなってんだ?」
「あ! そういえば緑間くん、猫が苦手でしたね」
「え゛っ、マジで!?」
「マジです」
「ほー、良いこと聞いたなぁ」
「ギャハハ! 宮地さん、すんげー良い笑顔っ」
「よしその猫、ここで飼おうぜ!」

『はぁああああああ!?』

「な、何を、いっ、いいー、言い出すのだよっ。学校で生き物など……っ」
「ブヒッ、真ちゃんどもりすぎっ。そんなに怖いのかよ」
「緑間が我儘言いそうになったら、コイツに止めてもらえるんじゃねーか?」
「あ、なるほど」
「黒子ぉおおおおおおおお! なるほどじゃねーのだよっ」
「んじゃ、さっそく監督のとこ行ってくるわ」
「ブフォア! ホントに猫を連れてったよ宮地さんっ」
「冗談、ですよね?」


 結論から言えば、宮地は本気だったようでバスケ部で飼うことが決定した。幸いにして猫嫌いは緑間だけで、アレルギー持ちも居なかったので。この日から、緑間が我儘の権利を行使しようとする度に。猫をけしかけられ、恐れ戦くエース様の姿が見られるようになったとかどうとか。
 因みに子猫の名前は、あまりにも似ていたことからテツヤ2号と呼ばれるようになった。

 それで猫の方はと言えば。部員達から餌をもらいつつ、自由気ままに秀徳高校の敷地内を闊歩している様子。在校生や教師達との距離感も心得たもので、バスケ部メンバー以外には不用意に近づくことはなく。思いのほかすんなりと馴染み、問題を起こすこともないそうな。











******

繋げる話が思いつかず、ネタだけ投下してみました。
WC辺りとかどうにもネタに困ってしまったので、ここで区切りとしたいと思いますorz


なんだかんだと気がつけば、作品数が百を超えておりました。
それに自分達でビックリ。

思い付くままダラダラ〜と書いて来ましたが。
思いのほか呼んでくださる方が居るようで、嬉しい限りです。

閲覧、評価、ブクマなど、本当にありがとうございます!