『出会い』

日向in白鳥沢・白布と同い年・日向バレーやってない・白鳥沢が春高予選優勝


白鳥沢学園高校は中高一貫の私立校であり、学問はもちろん部活動にも力を入れている学校である。

4月。入学式が終わって教室で待機する生徒達。その殆どが中高一貫な事もあり顔見知りである。だが例外もある訳で、文化部や運動部等等関係なしにどの部活も全国レベルである白鳥沢には、推薦で引っ張られた優秀な生徒も入れば、白鳥沢で部活をしたいという一般で入学した生徒もいる。当然ながら中学から一緒である生徒達同士でグループはもう出来ており、“例外“である白布賢二郎とほか数名はクラスで浮いていた。


ガラリ


教室の前の扉が開く。この1年4組を担当する教師が入ってきたのだ。それに生徒たちはいそいそと自席に座った。
白布はというと、担任の長ったらしい話に耳を傾けつつ視線をさ迷わせ、一席だけガラリと空いていることに気が付きつつもそこまで深く考えはしなかった。




入学して1週間が経とうとした日。
白布は相も変わらずクラスでは浮いているが、たまに隣の席である谷口と言葉を交わすくらいには少しづつではあるがクラスに馴染めてきている。

「ぎゃあ!ご、ごんなしゃ、さい!」

前側の扉付近で会話に花を咲かしていた女子達。
教室に入ろうとしたのかその扉を開けてしまった誰かは、至近距離で遭遇した女子に緊張した趣で謝罪をする。

ザワり

まるでお日様のような髪色に、全員の視線がクギ付けとなる。
女子とさほど変わらない身長に、幼い顔つき。体格より少し大きめの制服を身につけた生徒は、同じ一年だと主張するクラス証を付けている。
視線の的・日向翔陽は、自身の席を座席表で確認するなりずっと空いていたそこに座った。
入学早々不登校かと噂されていた日向に、全員が視線を向けた。それは白布も同じようで、派手なヤツだという第一印象を植え付けた。


時間は放課後。朝の1件からというもの、日向に距離を置いていたクラスの者たちは気がつけば日向の周りに集まっていた。それは日向のコミュニケーション能力の高さ故だろう。白布は自分が1週間かけても出来なかったことを一日でやってのけた日向を、少しだけ尊敬した。



「なぁなぁ!」

昼休み。白布が弁当を机に置いた時、丁度そんな明るい声がかかる。
入学してから1ヶ月が経った今では、授業を通してだったり部活が一緒だったりで数名だが友達が出来ていた。だから白布は話しかけられることへの物珍しさは無かったため顔を上げたが、話しかけた人物を見た瞬間驚いて目を見開いた。
そこにいたのは、大きな瞳を輝かせる日向だったのだ。
白布にとって日向は、ずば抜けたコミュニケーション能力を行使し一日でクラスの中心人物に成り上がった奴。名が体を現すという言葉が似合う、太陽のようなそんな存在。

はて、そんな日向が白布に何用か。ちなみに白布と日向は一度も話したことがなく、それもあり白布は新鮮さを感じていた。

「白布ってバレー部なんだよな!?」

先程の英語の授業で、自身の事を軽く発表する場面があり、そこで白布はバレーについて話したためどうやら日向は興味を持ったようだ。

「俺さバレー好きでさ!小さな巨人って知ってる!?烏野の!それ見てバレー好きになってさ!白布もバレー好き?」

なんだこのマシンガントークは。
日向の積極的に話す姿に呆気に取られた白布。
それに気が付かないまま話続ける日向は、気がつけば隣の谷口の椅子を引っ張ってきては白布と一緒に弁当を食べ始める始末で、白布は動けずにただ話を聞くことしか出来なかった。

日向が話をやめたのは、他のクラスメイトに引かれてるぞと声をかけられたからである。
白布に謝り倒す日向。白布はその切り替えスピードにまたもや驚きつつも、少し笑えた。

「なんだよもー!」

日向は笑われたことに拗ねる姿を見せたが、すぐに一緒になって笑った。