# 06
「翔陽くん、練習始まる前から何やエラい疲れてない???」
「はぁ……あの、治さんに……あの事がバレまして……」
「あぁ〜 バレてもうたんや」
目の前でどこか愉快そうに言うこの男と同じ顔した恋人に、昨夜そりゃあもうエラい目に合わされた俺は疲労コンパイ状態だった。
普段であれば次の日に響かないようにって配慮してくれる治さんの昨日の勢いは、それはもう凄まじくて……
ゲッソリした俺にかけられる侑さんの眼差しが、哀れみを含んでいる気がするのは気のせいだろうか。
「何で隠しとったんや! て怒られたんとちゃう?」
「ええ、そりゃあもう……」
ベッドの上でめちゃくちゃ問い詰められましたけど!
昨日のことを思い出して、赤くなったり青くなったりする俺に、侑さんは何かお察ししたように、あぁ〜なんて顎に手を当てて言葉を続ける。
「やから俺言うたやん〜 変に隠さんとサムに言った方がエエて」
「そうですね! 治さんに隠し事なんかしない方がいいって身をもって知りましたよ!!」
「お、おう……ゴメン」
「だからって!あんな……あんな!」
顔を覆う俺に、今度こそ間違いなく侑さんは哀れむように言葉をかけてきた。
「やっぱし反動デカかったかぁ。
……あいつ、飯おあずけくらったあとの食欲
ほんっまエグいもん」
呆れたように言う侑さんについ恨みがましい目を向けてしまう。
……てかあの人、現役の俺より食べても太らなくて、尚且つ俺より体力があるってどうなってるんだ!? バケモノか? バケモノなのか???
今朝も爽やかな笑顔で職場に向かった人の事を思い浮かべながら悪態をつく。
おあずけ後にもれなくガッツリ頂かれてしまった俺は、金輪際治さんに"おあずけ"はご法度だと、変に隠し事はするべからず、と心に誓うのだった──