# 05


「白布さんまで…」

「なんで賢二郎がここに…」

 夕飯を食べにきた五色と川西は苦虫を噛み潰した様な顔をした。それにすでに箸を持って日向の料理を食べているではないか。
行動が速い…。

「早く座れ、料理が冷める」

 お茶碗によそった炊き込みご飯を箸で山盛りに掬い、口いっぱいに頬張る白布に、2人は小さくため息をついて座った。

「いっつも大浴場でゆっくりしてるくせに、今日だけなーんでかシャワーだなと思ったら…、いつの間に餌付けされたんだよ、賢二郎」

「昼食を作ってもらっただけだ」

「うわー、まじかーー…」

 心当たりがあり、川西は頭を抱えた。
そんな川西の前にランチョンマットが敷かれる。

「あっ!」

 可愛いカワウソのイラストが端にプリントされている、ブラウンの大人っぽい色合いのランチョンマット。
その上にシラスとゴボウの炊き込みご飯が置かれ、ナスと鶏ももの揚げ浸し、具沢山の豚汁など次々と並ぶ。
 鶏もも肉は良質なタンパク質で、ナスにはビタミン、ミネラル、カリウム、マグネシウムなどが含まれ、免疫機能や骨の健康維持にも効果があり相性が良い。成長期の体に、骨に作用する食事はとても良い。
そして最後にカワウソの箸置きと箸が置かれる。川西は箸置きを恭しく持ち上げ、「…俺の?」と日向に聞いた。
 日向はコクンと頷くと、えへへ、と声が聞こえそうにはにかんで笑った。

「ありがとな、日向」

 川西は感動しながらお礼を言う。
ちょっとカワウソは可愛すぎる気もするが、日向がわざわざ選んでくれたと思えば、なかなか嬉しいものである。

「川西さんカワウソですか?全然似合わないですけど、カワウソは可愛いですね!」

と悪気なく五色が言い、川西はすぐにヘッドロックをかけた。

「可愛いだろうが、俺もよぉ」

「いたたたたたっ!俺なんか悪いこと言いましたか!?」

「188は可愛く無いだろ、五色が正しい」

 白布が五色に乗り、川西はチッと舌打ちをして五色を離した。

「日向」

 五色の配膳を終えた日向を白布は手をひらひらとさせて注目させた。

「俺もこれ欲しいんだけど」

と五色達のランチョンマットと箸置きを指差す。

「白布さん、これは日向に食費払ってる人しかもらえないんですよ」

 ふふん!と日向ではなく五色が答える。

「じゃぁ払う」

 白布は食べ終えた食器を片しながら言った。
キョトンとしてる日向を見て、

「ごちそうさま、これからよろしくね、日向」

と白布はほんの少しだけ笑った。






「賢二郎も日向に胃袋つかまれちゃったな…」

「まぁ、実際美味すぎますからね」

 五色は炊き込みご飯をお代わりした。

「俺、日向が女だったら絶対口説いてた…」

「俺もです!一生日向の飯食いたいですよね」

「はぁぁ、これ以上増えたら俺の分が減る…」

「食費3倍なんで、3人前作るまでですよ、川西さん自分で言ってたじゃないですか。自分の言葉には責任持ってください!」

「ちげーよ、料理の話じゃなくて…、てかお前俺と賢二郎と態度違わないか?」

「気のせいだと思います!」

「そうか…?いやな、料理じゃなくて、日向の愛情が減るって話だよ」

「…川西さん気持ち悪いです」

「ぶっ飛ばすぞ」