薬ネタも定番すぎるけどなんだかんだ楽しいのよ

◼︎


「えっ、お妙ちゃんが?」

簡単に作った朝ごはん2人分を小さな卓袱台の上に並べながら、銀さんがここに来た訳を訪ねてみたところ、何やらお妙ちゃんからの依頼だったらしい。

「そ。様子見てこいって言われて来てみりゃ案の定鍵開いてるしよー。どこまでベタ女子路線突っ走るつもりだオメーは」
「朝ごはん要らないってことで」
「ウソウソ欲しい欲しい!すっげーお前の手作りメシ食いてえ!!ついでに言うとお前が食いてえ!!」
「うるせェエエ!!」

なんなんだよ!いろいろあってからいろいろ急にキャラ豹変しすぎだろ!!作者も今頃アンタの豹変っぷりに戸惑ってるよ!!と銀さんの顔をお盆で叩いて朝ごはんに手をつける。

「まぁ、あの、その、ご心配おかけしました…」
「ん?まー次から戸締まり気をつけてもらうのと、あと直ぐ手が出るの抑えてもらえりゃそれでいーわ。…あとは…あのおっさん来る時呼んでくれてもいーし。迎え行くわ」
「や、流石にそれは申し訳ないので…!!夜中だし…!」
「あのなァ、お前自覚してンのか知らねェけど、俺お前の彼氏だかんな」
「へ」
「…え?」


ぽかんと間が空いた。あれ?かれ、し?


「あ、そ、そうです、よね」

男女の恋仲…そうか。銀さん、私の彼氏であって恋人か。ぼっと火照った顔をなるべくみられないようにと、味噌汁を啜る。

「…名前」
「はいっ」
「キスして良い?」
「なんで!?待って待って待ったァァア!!」

今回は平手打ちが出た。




やべェ、大変なことが起きた。

名前の家で一晩過ごし…いや、マジで普通に睡眠の意味で寝て過ごし、万事屋に帰ってきてデスクに腰かけ溜息を吐く。
え?ようやく名前と結ばれた果てにこれ以上問題なんて起きるかバカヤローってか?あるんだなーコレが。

「キス、してェ」

「気持ち悪いアル」
「気持ち悪いですね」

迂闊だった。こいつらいたの忘れてた。

「フッ、オメーらにゃまだ分かねェだろうがな。一度男女が結ばれるっつーことは上も下も結ば、ぐげふ」
「神楽ちゃん目の前になんつーこと言おうとしてるんですかアンタ」
「新八大丈夫アル。銀ちゃんの頭が腐ってるのは元からネ。そりゃ名前に平手打ちも食うヨ。本当、こんなマダオのどこが良かったか聞いてみたいアル」
「オイ待て何で平手打ち食らったの知ってんだ」
「跡ついてます。そりゃもうクッキリ」

惚れた女をモノにしてキスやそれ以上のことしてェと思うのは当然のことだろ。
そう。結ばれたよりも意外とその後の方がかなり問題だ。

アイツ相当なシャイだ。

「シャイっていうか銀ちゃんがそういう雰囲気作ってあげない方が問題ネ」
「そうですよ。銀さんあなた勢いだけでなんとかしがちです。名前さんどちらかというとツッコ気質ですし、銀さんがボケたらそりゃ何かしらツッコミたくもなりますよ」
「…ねぇなんでそんな分析力あんの?お前ら。あとなんで俺の心読めんの?」
「顔に出てますから」
「俺そんなにわかりやすいキャラしてたっけ」

ガキどもの冷ややかな視線にパチ屋でも行くかと重い腰を持ち上げようとしたら部屋にインターホンの音。新八が返事をしながらそちらへ足を進めるが、あの場から解放されるならと我先に玄関に駆け出す。アレ?今日依頼者来るって言ってたっけ?

「銀時くん名前殿と結ばれたのおっめでとー!」
「…」
「アァァア!!閉めないでお願い銀時くん!」
「何しにきたヅラ」
「ヅラじゃない桂だ」

一度は閉めた戸を仕方なく開けてやった。

「桂さんが来るなんて珍しいですね」
「何しに来たアルかヅラ」
「ヅラじゃない桂だ。すまぬ。新八くん、リーダー。今日は銀時と少し大事な話をしに来てな…」
「…そうですか。じゃあ、神楽ちゃん僕らは少し席を外そうか」
「分かったアル」

いつになく深妙なヅラ。…なんかまたマズい事案でも連れてきたかコイツ。懐からモノを取り出そうとするヅラをとりあえず黙って待つ。

それからヤツはある小瓶をテーブルの上に置き、口を開いた。

「惚れ薬だぐげふ」
「ふざけんな。俺ァそんなモン手にしなくたってとっくに名前をモノにしてんだけど」
「待て待て待て待て。よく聞け。こいつは別名『チッスしたくなる薬』だ。銀時、お前のことだ。名前殿と結ばれてから次のステップにつまづいていることだろう」
「ねぇなんでどいつもこいつも俺の恋沙汰に首突っ込んでくんの?」

「持っといて損は無いだろう持っておけ」と半強制的に持たされてヅラは帰った。なんつーもん寄越してきやがった。

使ってみたくなるじゃねェか!!


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