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「それは、ディゴリー。あなたです。わたしはディゴリーを呪いたい」

 は?あまりにも荒唐無稽で、常軌を逸していて、だから笑い飛ばすことができない。

「ウソはついていませんよ。だって、わたしたちは同盟者ですから。“ともだち”にウソはつけないのです。わたしはあなたを幸せにしたい、あるいは不幸にしたい」

 その言葉はノエルの丹念な呪縛のせいか、ずしりと重かった。けれど落とせば何もかもを破裂させてしまいそうで、とても落とすことなんて出来なかった。ノエルの言葉を拒否する勇気はもうセドリックの中には残っていない。

「それじゃ、これからは二人で頑張ってくださいね。あと、それから、わたしはもう二度とディゴリーをマグル界への旅やホグズミードには誘いませんから」

 近くで鐘を鳴らされたようにセドリックに頭が麻痺する。付け足して言われるようなことじゃないはずだ。今までの習慣がいきなりなくなってしまうんだから。でも、ノエルはそんなセドリックの顔を見ると嗜虐的な顔で目を細める。セドリックの苦しみを糧にしているみたいに。

「だって、そうでしょう。ディゴリーはチョウと付き合うと約束したのですから。なのに、わたしと誰もいないような田舎やホグワーツ生の誰に見られてもおかしくないホグズミードに繰り出すのはまずいじゃないですか。チョウを応援したわたしの立場もありませんし。これからはわたしのことは出来るだけ忘れてください。そうでないとディゴリーはきっとチョウの彼氏になれませんから。それでもわたしを忘れられないのなら、どうかチョウを殺して下さい。その時はわたしも観念してディゴリーのものになりましょう」

 くすくすと残酷な言葉を息をするように吐いて、セドリックの額にデコピンした。その途端、空気がもとの喧騒のとりまくものに戻った気がした。自分は今まで操られていたんじゃないだろうか。


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