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 チョウはすべて了解したという顔でいる。それもそうだ。第二の課題で水中にある自分の最も大切なものを救うというもので、“大切なもの”に選ばれたのはチョウではなくノエルだったのだから。チョウはそのことも言っている。セドリックは砂を噛んだような顔で硬直する。自分でもわかっていないことを決めつけられてしまったような、そんな後味の悪さ。そんなことはない、そう言いたい。むしろ好きならもっと早く気づいていたはずだ。

「だけど、これは嫉妬とかで言うのではないけれど、ノエルだけはやめたほうがいの。ノエルだけは好きになってはいけないの」

 怖い顔をして、化け物に近づくなと言うようにチョウはセドリックとの間合いをつめた。

「セドリックはああいう子に惹かれちゃうかもしれない。それにノエルは確かにいい人だし、私たちは同盟を結んでる。けれど、深入りすると戻れなくなるわ。ノエルはああいうことをするような人だから。私はまだいいの。ノエルと同じ女だから。どんなに近づいても距離がゼロまでにしかならないから。けど、セドリックは男の子だから、体と体の距離がゼロより近づいてマイナスになってしまう。これはすごく怖いことなの。それはもうセドリックではなくてノエルの一部になってしまうの」
「あの、さ。ノエルがした『あいうこと』って何?」

 やはり聞くべきではなかったのかチョウの顔が曇った。つい、口がすべって出てしまったことらしい。

「『ああいうこと』は『ああいうこと』なの。悪いけれど、これ以上は言えないの。『ともだち同盟』に引っかかってしまうから」


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