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「そろそろ起きてくれませんか?」
ノエルの声がセドリックの頭でこだまする。ああ、やっぱり。自分は死んだのだ。死んでノエルの元へ辿り着いたのだ。そう思った。
「あ、ちゃんと起きたみたいですね。お久しぶりです。お帰りなさい、とでも言えばいいんですかね。死なずにすんで、良かったじゃないですか」
……死なずにすんで?今、ノエルは何て言った?死なずにすんだって?
「僕は死んだはずじゃ…?」
「何を馬鹿なことを言っているんですか?わたしの呪いが効かないはずないでしょう」
「呪いって、この鈴のこと、だよね」
「ええ、そうです。前にも言いましたよね、ディゴリーがいつまでもわたしから離れられなくなる呪いです。わたしが死んでしまってからは、どこに移動するかよく分からなかったんですが。今頃、あの世でばったり会っていたかもしれませんね。ポートキーであの世とこの世を行き来できてたらの話ですけど。まぁ、無理だったからわたしが死んだこの天文台に移動してきたんでしょうけど」
「じゃあ、僕は助かったってことになるんだよね。ノエルのおかけで」
「そういうことになりますね。これで、ディゴリーは死ぬまでわたしのことを忘れることができませんね。だってわたしがディゴリーの命を救ったのですから。良かった、良かった。死ぬまでもがき苦しめばいいんです。チョウのことなんか忘れてわたしだけを覚えていればいいのです」
あぁ、やっぱりノエルはノエルだな。自分はノエルの言葉通り、死ぬまでノエルを忘れることができないし、好きな女の子と結婚でもして子供を授かり幸せな家庭を築いたとしても、ノエルに救われたということを覚え続けるのだろう。そして、苦しみながらもノエルの温もりを探してしまうのだろう。セドリックは自分が助かったことで、自分の体がノエルの一部になったのを感じ取った。
「ねえ、ノエルはなんで死んだの?」
自分が死に直面したすぐのことだから聞けたことだ。普段ならこんなこと簡単に口にできない。質問されたノエルは死んだことなんてたいしたことじゃないと感じているようだった。
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