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そんな言葉が告白にならない自分たちはやっぱりおかしいのかなとセドリックは感じた。でも、恋人になんてなったら、こんなふうに幸せに手をつなぐこともできないのだ。きっと恋人だけが味わえる幸せだってあるのだろう。けれど、それはその他のたくさんの部分を切り捨てた果てにたどり着ける幸せで、臆病なセドリックは何一つ捨てることができない。
たとえば、ノエルのように甘い言葉さえ捨てることができない。愛してるとか好きとかいう言葉を自分は宝物のように惜しんでしまいこんでおくのだ。きっと、死ぬまで。セドリックは運命のようにそう信じている。
でも、もしノエルが好きだと言ってきたら自分はどうするのだろう?
「さて、次の電車は四十分後ですね。もう一眠りするにはちょうどいいでしょう」
ノエルはセドリックを引っ張って、またホームに寝転がった。人に慣れた猫が寄ってきそうなぐらい無防備に。セドリックは少しだけ危うさを感じて、すぐに打ち消した。ノエルが無防備でいられるのは自分が無防備だからだ。ノエルはいたずら計画をするみたいに笑った。
「新学期、何かとても大きなことが起こりますよ。とても凄いことが」
「どうして断言できるんだい?」
「呪いのおかげです」
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