授業が終わってすぐに、康太の元へ走った。

 机の上に突っ伏しているその頭へ話しかける。

「ねぇ、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」

「話しかけるな。お前との腐れ縁もここで終わりだ」

 凄く冷たい声が返ってきた。

 そんな態度を取ってくるならもう、ここが教室だって構うものか。

 康太の頭を掴んで無理矢理顔を上げさせる。

 顔、すっごい顰めてるけど、それでもやっぱり綺麗。

「何する――」

 最後まで喋らせずにキスをした。

 教室内のざわめきが、耳に届く。

 ぎょっとしながら硬直をした康太の耳元へ、唇を寄せる。

「好き。僕は、康太が好きで、康太も本当は僕を好きなんだよ」

 突然康太が立ち上がった。僕の肩を掴んできて、ああ。

 強い力で突き飛ばされた。隣の席まで吹き飛ばされて、机と一緒に床へ崩れ落ちる。

 頭に椅子が、ぶつかってきて――ちかちかと目の前に火花が散って。

 揺れる。夢が。

 一瞬で意識は遠のくのに……康太の声だけが、するりと耳に突き刺さってくる。

「気持ち悪いんだよお前っ!」

 ど、う、してそんな、こと、を、いうの。

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