いきなりだったんだ。
大学の頃だな。突然電話を受けてさ。
高校の同級生の、あいつだよ。お前も結構仲良くしてた奴。そいつから連絡あったわけ。
久しぶりの第一声が、これだ。
お前が死んだってやつ。
自殺したって。
悪いけど、笑っちまった。ばっか! って、マジ笑いした。
電話を受けたのは駅のホームでさ。昼間だったかな。そうそう、午後の講義をサボってふらりと、見知らぬ土地にでも電車で行ってみるかって、そう思って。
定期じゃあなく、切符を買ったんだわ。どれだけ長く乗るかわからんかったから、とりあえず終点までの金額のやつをな。
電車がもうすぐ来るかなーって時に、携帯電話が鳴って、ディスプレイに出てきた名前があいつのだったから、ちょっとおい、何年ぶりだよと思って、少々胸をわくわくさせながら出てみたんだ。
それなのにさぁ。冗談にも程があるだろうって。
電車がきて、でもまだ通話してるからと思ってそれには乗らずに見送って。
電車さ、発進するとき風を巻き起こすだろ?
JRだったんだよな。地下じゃあなかったから余計にさ、こう、四方から風が吹き付けてくるわけ。
で、あいつの、お前が死んだって話を聞きながら、ぼんやりと電車の去ってゆくケツをな、眺めていたんだ。
木々が鮮やかな緑色をしていて。空はとても高く、青く、透き通っていて。
晴れやかな日だったから余計に、電話から聞こえてくる内容が、現実とは思えなかったなぁ。
お前、馬鹿だな本当に。
そうなる前に何で連絡をよこさなかったんだよ――って、ああ。
ちょうどその半年前くらいに携帯電話を俺、トイレに間違って流しちゃったんだっけ。で、まぁ、迷惑電話やメールも多いしちょうど良かったかなと思い、アドレスも電話番号も新しい携帯電話と共に変えたんだった。
面倒くさかったから、その時に連絡を取り合わないとならない友人にだけとりあえず、電話番号教えたんだよな。その中に、連絡をよこしてきた奴とほら、親しくしてた、あのノッポな奴がいてさ。そいつから電話番号を聞いてかけてきたらしいんだけどなぁ。
もしも俺がノッポへ新しい連絡先を教えていなかったら――今でも、お前の死を知らなかったかもなぁ。
- 95 -
*前次#
ページ:
ALICE+