勝手なことばっかりしやがって。

 俺を困らせることばかりしやがって。

 寂しいとか、そういうものよりも何よりも……どうして、という疑問が消えないだろうが。

 お前が最後に何を考えていたのかを知りたい。

 何で自殺をしたのか。どうしてその死に方を選んだのか。

 俺に連絡を取りたいと、少しでも考えたのか。

 俺が連絡先を教えていたら、何か変わっていたのか。それともやはり、俺だと知って着信を拒否したのか。

 なぁ、どう思っていたんだ。

 俺のことをどう思っていた? 俺と同じように、好いてはいてくれなかったのか?

 葬儀の数日後、さ。

 親御さんから送られてきたんだわ。お前はすっげぇ嫌がるだろうけどな。

 まだ持ってたんだって? まぁ、俺も捨てられなくて持っていたんだけど。

 おそろいの、さ。携帯ストラップ。

 馬鹿じゃあねぇの。ずいぶん古くなっちゃってまぁ。

 ストラップの持ち手になってる紐、たぶんこれ、アロンアルファーだよな? 接着剤で修理してあったぞ。

 高校二年の時だったよな。二人で水族館行ったの。

 俺は、水族館とか興味無かったんだけどさ、お前がイルカショーを見たいなんて言うから……俺もそれに興味がある振りをしたんだ。

 帰る前に土産屋を覗いて、そこで売られていたイルカのストラップを色違いで買ったな。

 俺が、青いやつ。お前が白いやつ。

 色はじゃんけんで決めたよな。二人とも白がいいっていってさ。お前が勝ったんだ。

 その白い色がさ、灰色になってんの。

 死んだ時も、そのストラップ、携帯についてたんだと。

 しかもお前、それおそろいだって親御さんに話したんだろ? 相当楽しかったのかな。嬉しかったのか。そうだといいと、思ってしまう自分に苦笑してしまうよ。

 おそろいだと聞いたので形見にって、添えられた手紙に書いてあったぞ。

 それをさ、見た瞬間の俺の気持ち、お前にわかるか?

 わからないだろう? 絶対に、わかるもんかよ。

 胸がな、絞られるように苦しくなった。

 ぶわっと涙がわきあがってきて。鼻の奥がつんとして、強くまぶたを閉じたわ。

 勝手なことをした奴の為に泣いてたまるかって、思ったのに。

 家だったからな。一人暮らしをしていたし、傍に誰もいなかったから。

 ――大声を上げて泣いたわ。

 馬鹿野郎、糞野郎、阿呆、たわけか、畜生! って、悪態をつきながら、な。

 でもさ、どんだけ泣いても叫んでも、お前は何も返してくれないわけ。



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