俺の中にはまだ、様々な疑問や質問が渦巻いているよ。しかも、答えの出ないやつな。
あの時ああしていたら。こうしていたら。どうしてお前は。何でそんな――って、ふとしたことでそれが頭へ浮かぶんだ。
お前という存在は、とても強烈だった。俺の人生に入り込んでもう、消えないんだろうなぁ。
もしもさ、あの世というものがあるならば、そこで顔を合わせることはできるのだろうか。
無理かな。俺が死ぬ頃にはお前、もしかしたらもうすでに転生しているかもしれないし。もしもあの世にいたとしても、凄い人数がそこにいそうだからなぁ。探し出せるか正直自信が無いわ。
あの世がなかったとしたらば――お前という存在はこの世界に溶けたのかな。そうだとしたら、俺も死ぬ時にこの世界と混ざるから、そこで会えるのか? 考えても答えの出ないことはさ、考えない主義なんだけど。
俺、引越しするんだわ。
大学卒業してすぐに就職した会社で五年ほど働いていたんだけどさ、今回初めて俺に転勤命令が下されたんだ。
転勤場所がさ、海外なわけ。おいおい俺のつたない英語で大丈夫かよって思うんだけど……行くことにしたんだ。
で、引越しの準備をするために荷物を整理していたらさ、しまいこんでいたストラップが出てきてな。いや、ちゃんと大事にしまっていたんだぞ?
それを眺めていたらつい、また泣いてしまいそうになってさ。文句を言ってやろうと墓参りに来たって訳だ。
今まで一度も墓参り、来なくてすまんな。
どうしても無理だったんだわ。お前の死んだっていう姿を見せ付けられるみたいでさ。
まだ、信じていたいのかな。生きているって。顔を見せなくても、声を聞かせてこなくても、どこかで笑っているって、さ。
いや、こうして墓を見ていてもやっぱり現実だとは思えないんだけどな。それだけ長い付き合いだったし、お前、本当に掴みどころのない性格だったからさ、すぐにどこかへふわふわと行ってしまうような奴だったから――またそうやって、ふわふわと戻ってくるんじゃあないかって、期待をしてしまうんだわ。
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