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町を移動しながら兄妹の行方と鬼狩り様の情報を集めていくが、兄妹はこの町には来ていないようだ。

「嬢ちゃんの言う鬼狩りっていうのは鬼殺隊の事かい?」
「鬼殺隊?」
「人喰い鬼を狩る政府からは認められておらん組織じゃよ。鬼は人間を喰い力をつけておる。身体能力も高く傷の治りも早い。陽光に当たるか特別な刀で頸を切り落とさない限り死なん」
「どうしたら鬼殺隊になれる?」
「……嬢ちゃんは何故その道に進もうとする」
「家族を殺された。生き残っているはずの兄と妹は行方不明になった。でも分かるの。兄は私と同じ道を進もうとしてるって。仇を討ちたい。強くなりたい。だから、鬼殺隊になりたい」
「生身の体で鬼に立ち向かう。兄妹に会う前に死ぬかもしれん。残酷な道を辿る事になるぞ」
「家族を殺されて、これ以上残酷な道はない」

とある町の定食屋で出会ったお爺さんは、剣士を育てる育手という人だった。鬼殺隊に入るためには、藤襲山で行われる最終選別というのに参加し生き残らなければならない。生き残るため、鬼を狩るために特別な訓練を行い剣士を育てるらしい。

「お願いします。私を育てて下さい」
「女子だからと容赦はせんぞ」
「はい」
「儂は銀鏡曽ノ真だ」
「竈門一露葉です。宜しくお願いします!」

銀鏡さんと出会ったその日から最終選別を生き抜くために様々な事を教わった。体力をつけ、刀を振るい、呼吸法を学ぶ。毎日同じ事を繰り返し、身体に染み込ませる。銀鏡さんはその昔鬼殺隊で霞柱というものだったらしい。柱は鬼殺隊を支える剣士だそうだ。

「お前さんには霞の呼吸が合ってるようじゃな」
「他にもあるの?」
「水、雷、炎、岩、風。これが基本の呼吸じゃ。そこから派生して、霞など様々な呼吸が出来ておる」
「そんなに」
「教わった呼吸が合わずに別の呼吸を極める者もおる」
「私も合わなくなる可能性があるって事?」
「そうじゃな」
「そっか。何か寂しいね」
「選別は関係無く、生き残るために自分に合った呼吸を使えばいい。一露葉、お前さんもそうじゃ」
「分かった」

稽古をつけてもらうようになって一年後。次の段階である全集中の呼吸というものを教わる。体中の血の巡りと心臓の鼓動を速くすると体温が上昇する。そうすると、鬼のように強くなれるそうだ。

「とにかく肺を大きくするんじゃ」
「肺を?」
「死ぬほど鍛錬しろ。何度も何度も体に染み込ませるんじゃ」
「はい!」

それからは全集中の呼吸を意識し鍛えた。何度も何度も、刀を振るい、裏山を走る。毎日、毎日、繰り返し、気付けば故郷を出てから二年という月日が経っていた。そして、遂に鬼殺隊に入隊するべく最終選別へ参加する事が認められたのだった。