07





花柱である胡蝶カナエさんの継子になって少し絶った頃。ふと、ある人が頻繁に蝶屋敷を訪れていることに気付く。


「あれって…」
「不死川さん」
「あ、風柱の」
「そう」
「……また怪我?」
「違う。姉さんに用事だって」
「この間も来てなかった?」
「この間はお館様からの伝言」
「伝言って……、鎹鴉は?」
「さぁ?」
「ねえ、もしかして」
「…たぶんそうよ」


不死川さんはとても希少な稀血である。鬼にとったら稀血を持つ人は喉から手が出るほど欲しているだろう。普通の人間を喰うよりも、50〜100人の人を喰った事になり力が倍増するのだから。


「あら?二人ともそこで何してるの?」
「!」
「たまたま出会したので、雑談を」
「そうだ!不死川くんに紹介するわね」
「継子かァ?」
「そうなの〜!とーっても可愛いでしょう?可愛いだけじゃなくて、優秀なのよ?」
「へぇ〜。優秀ねェ…」
「紫藤一露葉と申します」
「…お前、勇作の妹か?」
「兄をご存知なのですか!?」
「ああ」


兄とは何度か共に任務を行っていたらしい。鬼殺隊として鍛錬や任務をこなしていた兄は、とても真っ直ぐ前を向いていたと不死川さんは言う。


「積もる話しもあるだろうけど、そろそろ行かないと」
「姉さんも任務に?」
「今回はちょっと遠くなの。しのぶ、戻るまでお願いね」
「うん」
「それじゃあ、行きましょうか」
「はい!」


継子である私は、カナエさんと共に任務に向かう事が多い。今回の任務もいつもと同じくカナエさんと一緒に向かったのだ。


「どんな鬼なのですか?」
「今回はちょっと大変かも」
「え?」
「女性ばかり狙われているんですって。それも、若い子ばかり」
「…そう、ですか」
「気を抜かないようにね」
「はい」


目的の村に着くまで、たくさんの事を話した。兄の事、私の知らないしのぶの事。そして、呼吸の事や技の事など、本当に様々な事を話した。これから起こる事を予想しているかの様に、止まることなく話していたのだった。


「この村ね」
「……妙な気配ですね」
「日中だから姿は現せないだろうけど、巧妙に隠れているのかもしれないわね」
「十二鬼月でしょうか」
「そうかも」


この時。この村の異様さに気付いていれば…未来は違っていたのかもしれない。