禰豆子ちゃんと一緒

やあやあどうも現在ただいま困惑真っ最中な撃雅風だよ!それは何故かって?それはね??


「ゔゔー!」


キラキラお目目の禰豆子ちゃんにめっちゃハグされて頭撫でられてるからだよ!!!


事の始まりは5分前のこと……

私はいつもの様に蜘蛛化した患者の治療を終えて、あーー仕事おわったーー!とご飯を食べ風呂に入りあとは寝るだけの状態だったのよ。それで、ある部屋の前を通ったとき、カタって音がしたの。んん?って思って、気配探ったら禰豆子ちゃんのそれで、そんでもって、ここって空き部屋じゃなかったっけ?ここにいて平気なの?って思って中に入ったわけです。炭治郎の所に行かせようと。それで、ちょいちょいちょいーっと手招きをして、少しなんかぽやぽやしてる感じの彼女を誘導しつつ、病室に向かったのよ。あ、大丈夫、今あの病室あの3人しかいないから。ん?そうじゃなくってなんで手を繋がないのかって??
怖いからだよ!いや、ちがうの、禰豆子ちゃんが怖いんじゃなくて、私の波紋で傷つけたりしないかなーって怖いの!!
だって私、あの時はちゃんと波紋流さないように意識してあれしたけど、普段無意識に波紋の呼吸をしたりしちゃう時あるの。だから、禰豆子ちゃんのこと溶かさないように、私は距離をとりつつ誘導したわけなんです。例えるならあれだよ、ハムスターとかそういうのがやわっこくて触るの怖いみたいな感じ!!!

まあそんなこんなで何とか病室に辿り着いて、中に入ったわけなんですが…………何故か誰もいなかった。あれ?っておもったら、うん、3人ともお風呂に行ってるみたいでした。でもまあそれでもこの部屋の中にいれば平気だよね。と思い、中に入れ、それじゃあお兄ちゃんが来るまでいい子にねーって手を振って、ドアに向かったら浴衣の裾を掴まれました。あっれれー??おっかしいなーーー??
だらだらと冷や汗をかくのを感じながら、ゆっくり後退しようにも、じーーーーっとこっちを見てくる禰豆子ちゃん。そして、


「むーーー!!」


その裾を引かれ、私はそのまま彼女の胸に飛び込みました。


「ひっ」
「むーーむむーーー」


体が緊張でカチコチに固まる。そのまま私の頭をさわさわと撫で始めた彼女は、上機嫌に何やら唸っている。いや、待って???おねがい!そして君のが背が高いって何?!ちょっと待って?私そんなちっこいの??まって??取り敢えず私のことはなそ????


「だめ」
「むぅ?」
「離して?」
「むむっ?むうむう」
「いやいやいや」


なんとなくイントネーションと表情で伝わるけれど、めっちゃイヤイヤされた。だって頭ぶんぶん降ってるもん!めっちゃ不満げな顔してるもん!!
いやそんな顔されても困りますお客様ーーーッ!!お客様っーーー!!あーーーっ!!やめてぇ!!ベッドに誘導しないで!!それあれでしょ?ゆっくり座ってハグさせて?ってことでしょ?落ち着こ??

と、そんな私の想いも虚しく、ほんとうに申し訳ないけれど炭治郎のベッドの上に来るように手をグイグイ引かれて誘導された。やばい手のひらこの子めっちゃ柔いんだけど?私力入れたりしたら折れたりしない?ねぇ、誰か助けてぇっ!!!


そして冒頭に至るのである。


ベッドの上で私をハグして上機嫌に擦り寄る彼女に、私は時々息を止めつつ、されるがままになっていた。ていうか、炭治郎達早く帰ってきてお願いします私こういうこと慣れてないから!!自分する側ならまだいいよ?でもね?される側に回るとか、なかなかないからね???わかる?ドゥーユーアンダスタァンドゥ??
しかも!しかも美少女だよ?めっちゃ可愛い天使みたいな子にこんなハグとかなでなでとかされてみ???心臓が!!!爆発する!!!!


「うー、むううー」
「いや、それはちょっと……」
「う゛うむ?」
「えーー」


そっちからもハグくださいってことですか?身振り手振りで何やら教えてくれる禰豆子ちゃんに、私はどうしようかと考える。ううん、と考えて、禰豆子ちゃんを見ると……なんか涙目になって私のこと見てた。なんか涙目になって私のこと見てた!?

そんな顔されたらもう、いや、、あーーもう!!どうにでもなれ!!!!

私は覚悟をきめて、壊れ物のようにやさしく、彼女の首に腕をまわしよしよしよしよしと頭を撫で繰りました。うわあなにこれ髪の毛めっちゃサラサラなんだけどなにこれ!


「うー!うっううーー!」
「はいはい」
「うーう、」


撫でた瞬間に笑顔になった彼女に変な声出るかと思った。そのまま撫でたり、禰豆子ちゃんのハグをしばらく受けていたら、背後からガチャっと言う音がし、すぐに、キャァァァァァア!!!と絹を割くような汚い高音が室内に響いた。


「ね、禰豆子ちゃんと誰!?あ!?もしかして雅風さん!?髪下ろしてるの初めて見ましたけど雅風さん!?お人形!?えっ!?禰豆子ちゃんと何して、ていうかなんで炭治郎のベッドで?!どうせなら俺のベッドでやってくれていいんですよ!?!あぁぁ笑顔の禰豆子ちゃんかわいいいいいい!!!」
「善逸、なにいって……て、禰豆子?!何してるんだ!?」
「んが?なんかあんのか?」

わあお、三人衆戻ってきたら一気に騒がしくなったーね。荒ぶる善逸くんと慌てる炭治郎と首を傾げる伊之助。そしてなんかハグされハグし返す私どうしよう、とても……かおすです……


「炭治郎、禰豆子ほかの部屋いた」
「えっ!?そんな、禰豆子、勝手に出てきたら危ないぞ?だめだろう?」
「うー」
「君を探してたと」
「ううー」
「なんで何も言わなかったんだーと」
「うう、うっううー!」
「いやそれは別に……」


なんか、炭治郎達がどこかに行って、1人になったから探してたらしい。それならそうとそう言えばいいのに。てか最後のなでなでとはぐできてうれしかったー!って報告入らなくない??
そう、禰豆子ちゃんと会話をしていたら、何やら炭治郎と善逸くんが衝撃を受けた顔をしていた。なんだなんだ。


「禰豆子の言ってることわかるんですか?」
「……なんとなく?」


女同士のテレパシーってやつだね!!!まあでも、それは置いといてとりあえず。
炭治郎が来た瞬間に緩んだ禰豆子ちゃんの腕からするりと抜け、ぱたたっとドアに向かう。


「うっ!?」


えっ?!と声をあげられるが今はそれは知らないかなーーっ!!あーと手を伸ばされるが私は見ていない!


「炭治郎、ベッドあがってごめんね」
「あ、いえ!こちらこそ禰豆子の面倒見ていただいてありがとうございます!」


そう言って頭をぺこりと下げる炭治郎可愛い。思わずよしよし撫でたら背後からまた、あーーーっ!!というような不満げな声が聞こえた。あ、うん、ごめんない。


「掛け布団あれだったら、隣のベッドのやつ使って平気だよ」
「え?」
「炭治郎、鼻いいから、私の匂い残ってたらいやかな、って、」


そうそう、炭治郎鼻凄くいいから、もし掛け布団に私の匂いとか残ってたらなんかこう、ね?やっぱり他の人の匂いのするのってどうなんだろうってね?
わたしがそう、心配していえば、彼はにっこりとわらい、そして、予想外のことを言い出した。


「平気ですよ!むしろ、雅風さんっていつもお日様の匂いがしてて、干したての布団で寝てるみたいだと思うので!!」


思わず炭治郎の頭を撫でていた手ではたいてしまった私は悪くないと思うの。


私は知らない、この後善逸くんが炭治郎にその掛け布団をよこせと、迫っていることを。
そして、この事があってからちょくちょく禰豆子ちゃんに会う度に捕まって引きづられて行くことを…………

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