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 また数年がたち、暫くして、次は真菰ちゃんから弟弟子ができて、錆兎と一緒に鍛えてるんだーという手紙が来た。まじかよ。原作開始してたのかよまじかよ…ガツンとかなりのショックを受けたぞ私。ツライ
しかもそのお知らせが来て、その事知ったのは次の最終選別があるのは1ヶ月後間近のときなんだから。

そして、なぜだか私は御館様にまた1人で呼ばれている訳でしてはい。多分、鬼舞辻無惨の捜し物がわかっては無いのだろうか。
御館様の元へ行けば、二人っきりの個室でお茶菓子にカステラを出されつつお喋りすることになりました。しかもあれだよ?カステラにはめっちゃ金粉ふってあったの!下のザラメとかかなり美味しい。高級感溢れる感じが凄い。語彙力がこい。

「君の言っているような人を食べない鬼が、現れた」

もっしゃもっしゃ食べてる時に唐突に放り込むのやめて貰えます??
口の中のカステラをお茶で流しつつ、ふう、と一息。

「そうですか」
「以外と驚かないんだね」
「いつか来る、と思った」
「成程、そうだ、君のいっていた鬼舞辻無惨の捜し物とはその鬼のことだったのかい?」
「……違うと思う……でも、近々動き出す」

私がそういえば、御館様は少し考え込んでから、そうか、と自分もカステラを食べ始めた。
それで御館様との会話はお開きになったのだった。

そしてお土産にカステラ貰った。とっても嬉しい。切り分けて錆兎達にあげようかな。


サブレにカステラを持たせて贈ったら、とっても喜ばれた。そして、暫くして、炭治郎が試験に合格して鬼殺隊に入隊した事も知った。私と同じ、黒い刀の剣士なんだと嬉しそうに綴ってある。それと、もし会ったら宜しくとも。それはもちろん宜しくするけれど、君なんだい?珍しくデレるじゃないか、なんかソワソワするからやめてくれや!

まあそれからまた暫くして……任務完了後に直ぐに那田蜘蛛山にいけと言う伝令が来た。十二鬼月がいるかもしれない、先行して隊員を助けろ。という命令だ。
ここからは全力疾走で1時間くらいかな?若い命を助けられるよう頑張りますかっと!



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隊士の悲鳴が夜の森に鳴り響く。操り糸の鬼の糸に絡め取られた隊士が生きた隊士を襲っていたのだ。その鬼をどうにかせんと、と炭治郎、伊之助が刀を振るっている。女の隊士は腕の骨を折られながら、その激痛に蝕まれ、逃げてお願い、殺したくないと大粒の涙を零す。身体のあちこちに骨が刺さりもう自分は助からないと悟った男の隊士は声を出すことさえままならなくなっていた。

そんな時だ。林から掻き分けるような、大きな音が急速に炭治郎達に向かっていったのは。

「なんだっ!?」

炭治郎は急に近づいてきた匂いに驚く。それは、陽射しを濃縮したような香りだったからだ。高速で近づいたそれは、黒い影を落としながら空高くとんだ。それは、変わった隊服を着て、髪をふたつのお団子にゆっている女だった。

「波紋、編み流れ」

とんとんとん、とそれは彼女らに繋がった糸を爪先で小突いた。連続で糸を弾き、ビィィンと弦の軋む音が響く。そして直ぐに、その軋んだ糸は橙色の光を放ち、途切れた。がくりと崩れ落ちていく操られていた者達の体。一瞬で、一斉に糸を断ち切られた彼女らに、炭治郎は駆け寄った。

「だめです!!糸をいくら断ち切っても直ぐにほかの蜘蛛が!!」

声をはりあげた炭治郎を一見した女……雅風は地に降りると指で輪っかを作る。

「波紋、泡牢、泡結界」

勢い良く吹いたその輪からは大きな泡が出る。倒れていた隊士を含み、弾けずにそれはゆうに10人は纏めて収納できるほどの結界となっていた。
泡に当たった鬼の放った蜘蛛たちは小さく鳴き声を上げながら焼かれるような音を立て焼失した。

「うおおっ!?なんだこりゃ?!」

伊之助は触るとぼよんぼよんと弾むそれに興奮しつつ、なあなあこれはなんなんだなあなあと炭治郎に詰め寄っていた。

「怪我人治療する!生きてる子つれてきて」
「は、はいっ!!伊之助、この人を!俺は重症の人を運ぶから」
「おお?」

言われるがままに、怪我人、かろうじていきがあるものを合わせて2人を彼女のすぐ側に横たえた。

「あなたは腕がひどい、でも、こっちの彼が今にも死にそう、耐えてもらってもいい?」
「ひっ、はい、はい゛」

大きなひゃっくりを零す腕がもう動かないであろう彼女に、雅風は目元に手を当てた。ぱちぱちと音を立て、波紋を流したのだ。すると、次第に彼女はことん、と意識を落とす。安心したようにスースーと音を立てて眠る彼女に、男ふたりはあんぐりと口を開けた。

「今のは……?」
「説明してる時間ない。あなた達はあの操り主を滅してきて、あなた達ならできるでしょ」

炭治郎の疑問を一刀両断し、雅風は袖から次々に薬品と止血帯などを取り出す。淡々と告げられたそれに、伊之助は鼻息荒く返した。

「言われなくてもそのつもりだ!!!」
「つま先から出て……死にそうならちゃんと逃げて」
「ふはは!面倒なのがいねぇんなら俺が瞬殺してきてやる!!」
「伊之助!」
「投げ飛ばすが吉」
「え、」
「それじゃあ、気をつけてね」

視線をこちらに向けなくなった彼女に、炭治郎はなにか言いたげに口を開くが、先を行く伊之助のことを思い、すぐにあとを追いかけた。

2人が去ると同時に、直ぐに雅風は最も重傷な少年の手当を始めた。内蔵に突き刺さった骨、飛び出した腕や足の骨に粉々になったそれら。彼を助けるのは急務を擁した。
もう助からない。普通なら。でも、それでも助けるのが陽柱としての使命だ。

「これからあなたを助けます。鎮痛剤を打ち、内臓を修復します。いいですね?」
「で、も、おれ、」
「諦めないで、助けるから、絶対に」

まず鎮痛剤を打った後、直ぐに患部を治療するのに邪魔な布を切り、直接傷を見る。清潔な手袋をつけ、からだを触診し、いち早く治療すべき場所に生命の波紋を流す。もし、体の一部が無くなっているような傷なら助けることは出来ないけれど、彼は違う。まだ、助けることの出来る傷だ。

「なんで、そんな、いたみが、」
「内臓を治してる、君はもう眠りなさい。次に起きたら、あなたは暖かいベッドの上、安心して眠りなさい。」

そういうと、緊張が途切れたのか、彼はことりと意識を手放した。土気色の顔が、だんだんと生気を取り戻していくのをみながら、内臓の修復後、骨の修復に取り掛かる。
内臓の修復、飛び出してしまった骨を中にしまうこと。他の隊員の治療のことを頭に入れ、雅風はそこまでをすると、次に眠っている彼女に目を向けた。腕がぐるりと1回回ったのか、腕がねじ切れる寸前だった。
彼女を起こさないように腕を元の場所にもどすようにまわしつつも波紋を流す。一瞬呻き声が聞こえたが、それを無視してもう片方の腕にも取り掛かった。そして、それが終わった頃、泡牢からぼよんぼよんと音がした。目を向ければ、そこには真黒の装束……隠達がいた。救護に来たのだろう。それを確認し、ぱんっ、と音を立てて雅風は自ら泡牢を解いた。

「彼女は両腕、彼は内臓は修復したけれど血を流しすぎたのか血液が足りない。急務。あまり刺激を与えないように」
「分かりました。」

隠たちは手早く怪我人、そして亡骸を回収する。

「陽柱様、水柱様と蟲柱様が到着しています」
「わかった。君たちも道中気をつけて」
「ご武運を」

怪我人を背負った彼らのを見送り、雅風は一人、足速にその場から駆け出した。





とっぷ