10-1
やあやあどうも恐ろしいほど笑顔のしのぶに説教されてしまった撃雅風です!!
あの後とても不死川君が荒れたらしいよ!!次会った時がとても怖いね!!どうしよう!!
そして説教が終わって部屋を出た時にたまたまあった善逸くんや、伊之助君に何故だかそわそわされたりしたよ!!なんだったのかな?
そのまま禰豆子ちゃんの髪をいじりにワクワクしながら突撃してしまったので次会った時に聞くとしよう!
それと、豪速球で髪を切ったことについてあの場にいた人……特に煉獄さんと義勇くんからしのぶが問い詰められたらしい。
後から彼女に言われて知ったんだけど、今どきの女の人が男のように短い髪型にするとか、普通、親から絶縁されても可笑しくない行為なんだそうだ。
つまり、尋常じゃないほど周りがちょっと慌ててたってことですね。
蜜璃については大泣きしてしまったらしいごめん!!今度パンケーキ作りに行くから許して!!
とりあえず説明として、髪がチリチリになってみっともないから切ったって素直にサブレ飛ばした。
だから気にしないでね!!と書いたがちゃんと伝わるだろうか?(特に煉獄さん)
そして義勇くんが間違っても錆兎にこのこと言わないように口止めしたけど聞くように祈ろう。
まあ、そんなこんなで会議の翌日で、私がまだ全回復してないので、この蝶屋敷で看護の手伝いを体力回復の為にしつつ、(というか、今回は身体が完治して体力や筋力が戻るまで任務に行かせないと言われた)ゆっくりと久々の長い休日でのんびりとしていた訳です。
因みに言うと、私の体の傷、しのぶに黙って、波紋流して回復をはやめてるので、できるだけ早期に復帰する予定ではある。
完成させたいものがあるし、それには鬼を相手取るのが一番手っ取り早いからね!
あれ?おかしいないつから私ってこんなに[[rb:仕事中毒者 > ワーカーホリック]]になったんだっけ???
考えたらキリがなさそうなので気持ちを切り替えて他のことを考えよう。
そうだ、 私の目が覚めたと知って、眠っている間に花をくれた子達から大量の手紙が来たのだ。
私が稽古をつけた子や、例の蜘蛛山で私が身体を治療した子など、意外と懐かれていたらしい。
どれも無理せず身体ちゃんと治してくださいだとか、身体を気遣うものが多く、とてもホッコリし、一つ一つの手紙にちゃんと返事を書こうと和紙の便箋を大量に購入した。サブレはそれを見て悲鳴のような鳴き声を上げていたが、これが君の仕事なので頑張ってくれとしか言えない。
とりあえずサブレのために好物をいくつか用意しておこうと思う。閑話休題。
でも、一通だけ、他の手紙とはひと味違うものが混ざっていた。
それは───────私がよく稽古をつけていた獪岳からの手紙だ。
私の月に行われる稽古は、柱から直々という事で受けに来るものが最初は多かったけれど、やはり、途中からついてこれない人も出てきたりした。
その中で彼はこの隊に入りたてだろう頃から私の稽古がある時は欠かさず受けに来てくれのだ。 脚が早く、瞬発力がある。雷の呼吸の特徴ではあるけれど、それでも、彼は特に抜きん出ていた。
だから、ついついその…善逸くんと同じで、稽古では特に張り切って可愛がってしまったのだ。
まあ、彼は年頃なのか、反抗期なのか、思春期なのか、つっけんどんな態度を他の隊員にしてしまうのはあまり宜しくないが、根はいい子なんじゃないかな、と思う。
私の知識はこの世界の、十五巻までの虫食いの記憶しかない。その中で、一番新しい巻の内容と、私の好きだったシーンの一部が特に頭の中に記録として残っている状態だ。
けれど、人の脳みそ程いい加減なものはない。
記憶というのは脳みそに刻まれた自分が感じたことの記録だ。それは必ずしも正確なものじゃない。頭の中にインプットされる際、どうしても自分の都合のいいように記憶というのは書き換えられてしまうのだ。
一緒の出来事でも他人の記憶と自分の記憶とでは矛盾した点が生まれてしまったりするし、いいように勘違いしてしまう時がある。
だから、私はそういう事があまりないように、自分の記憶の領域に波紋を通して“正確な知識”を定期的に蘇らせているのだ。
虫食いの所を出来るだけ早く復元したいが、如何せん、私は無くなってしまったものを元に戻すのが苦手らしく、今まで復活させることが出来た記憶が無い。
さて、話をもどそう。
彼、獪岳の話だ。
善逸くんの兄弟子が彼なんだろうな、ということは直ぐに予想出来た。本人が元鳴柱の育手の元にいたと言っていたからこれは確定だろう。
そして、それとはまた別で……獪岳は、恐らくは悲鳴嶼さんの寺で藤の花のお香を消して鬼を招き入れた子なんじゃないかと私は思っている。
根拠は服と首飾り、風貌が酷似していた事や、顔がそっくりだったことだ。
最初、獪岳については悪印象が私の中で強かった。
でも、必死で修行をこないしていく姿に違和感を覚えたのだ。
そもそも、なぜ鬼で怖い思いをしたのに鬼殺隊に入ろうと思ったのだろうか?と。
命乞いをしてまで鬼から逃れたのなら、普通ならばそれこそ、その鬼を相手取るような仕事に就くのは不自然だ。戦闘する隊士ではなく、隠としての方が戦闘する機会が少ないので安全ではある。
だから、ここからは勝手な私の考察だ。
彼は、“罪滅ぼしの為”に鬼狩りになったのでは無いのだろうか。
お寺にいなかった事だとか、不明な点はあるけれど、ただ拾われたからという理由だけじゃなく、それもあるとすれば合点が行く。
あの、お寺に鬼が消えてから駆けつけた大人、それが彼が助けとして呼んだ大人だったのだとしたら?
そして、その事で寺にいた子供が、一緒に住んでいた人がたくさん死んでしまったと知って鬼狩りの道に進んだのだとしたら、彼にかかる心のプレッシャーはどれ程のものなのだろうか。
それと、あの、善逸くんに対する態度や、今までの稽古での態度でわかるが、彼は誰かに強く認められたいと、非常に強い承認欲求を持っている。
その求め方が、母親に愛情を求めて、存在することを認められたいという子供のように私は思えたのだ。
まあ、これは考察でしかないので確定したものでは無い。
それで、その獪岳からの手紙なのだが……
「……『継子にしろ』……かぁ、」
そう一言、荒れた墨で殴り書きにされたそれが、私宛の手紙に書いてあった。
そして、手紙が届き、二日ほどたった頃だ。
たまたま、私は筋力の落ちた体を回復させようと、暇らしいお饅頭を漁っていた善逸君に声をかける。
まぁ、その時のにまだ怪我が酷いからダメなんじゃとか言われたが、体力を戻さないとなので鬼ごっこぐらいはいいだろうとお願いすれば、若干ええっと戸惑いつつも、……女の子に甘い彼はちょっと大分?でれっとしながら無理しない程度なら、と、頷き私の横に並び、玄関へ向かっていた。
そんな時だ……彼が蝶屋敷に訪れたのは─────