拝啓 硲先生へ

近年稀にみる大雪ですごく寒い日が続いてますが元気で過ごしていらっしゃいますか。私は病気も怪我もすることもなく毎日元気に学校に通って今年も皆勤賞です。
そして、中学の時に堅苦しい手紙の書き方を習った気がするけど全くもって覚えてないのでもうやめますね！

私、初めてまともな手紙を書いてる気がします。それが元担任の先生で、今はアイドルをしている人にファンレターとして書くことになるとは思ってませんでした。
それでもどうしても伝えたいことがあってペンをとりました。(ぶっちゃけるとお気に入りの雑貨屋さんでめっちゃ可愛い便箋見つけたから使いたかったてのもあるけど。)

私の大大大好きな硲先生はいつの間にかテレビの向こう側にいってしまいました。
てか硲先生は私が何度席替えしても1番前の真ん中の席なの気づいてました？
実はね、大好きな硲先生の授業を一番近くで聞くために態々その席になった人に変わってもらってたの！みんな喜んで変わってくれたけどね！

私ね、数学なんて大嫌いだった。
でも硲先生の数学の授業は大好きだった。
中身はちんぷんかんぷんでも先生が私たちのために試行錯誤して行う授業が好きだったの。

ある日は三角帽子と鼻眼鏡をして授業してたよね。あれは真面目に引いた。面白さを通り越して怖かった。だって真顔で鼻眼鏡してるんだもん。笑っていいのか分からないよね。そして授業の内容いつも以上に頭に入らないよね。あ、でもその時何故か一緒に来てた類せんせのうさぎの着ぐるみ姿は可愛かった！なんで居たのかわかんなかったけど。
またある日は教室を誰かの誕生日パーティーなのかな？って思うような飾り付けで授業してたよね。あれ1人で準備したんですか？言ってくれたら手伝ったのに！
ところであの飾り付けはどういう意図があったの？パーティーみたいな感じだったら授業も楽しくなるかもしれない的な感じ？
けど他の先生がなんでここの教室だけパーティー仕様なんだって不思議がってたよ。じろーちゃんせんせなんかは自分の誕生日でもないくせに俺の誕生日祝ってくれるの〜ありがと〜とか適当なこと言ってたよ。一応チョコあげたけど。

こんな感じな、ちょっと斜め上の発想な不思議な授業ばっかりだったけど全部私たちのためにしてくれたんだって思うと私はとっても、とっっっても嬉しかった。大好きだったんです。

だから先生がアイドルになるから教師を辞めるって聞いたときびっくりしたし悲しかったし寂しかった。
でも辞めるてアイドルになる理由がやっぱり私たちのためって聞いた時は先生らしいなって思いました。でもさすがに先生もう30歳過ぎてるし厳しいんじゃないのって思ってたらじろーちゃんせんせと類せんせと一緒にデビューしてるし！なんかテレビで踊って歌ってるし！もうびっくりしたよ！即録画した上に写真撮りまくった！
それにね、それと同時にね、近くにいた先生が随分遠くの存在に感じちゃった。やっぱり硲先生の授業もっと受けたかったな〜！！

実は、この手紙を書いてる今日は大学の合格発表でした。××大学を第一希望で受験してね、無事合格したの！勉強嫌いの私にしては凄いでしょ？？なんの学部だと思う？
正解は教育学部！ね？凄いでしょ！？めっちゃ頑張ったんだよ！
私ね、硲先生みたいな誰かの夢の手助けが出来るような先生になってみせるね！だから同窓会楽しみにしててね！絶対に来てくださいよ！？じろーちゃんせんせと類せんせも一緒にだからね？いつか受け持つ生徒に先生達に教わったんだよって自慢するために一緒に写真撮ってもらうんだから！
だから、私が自慢する為にももっともっと人気になってくださいね！

それと手紙だから伝えます。
私、一人の男の人として硲先生のことが好きでした。
きっとこの初恋はいつかただの思い出になるんだと思います。だから、思い出にするためにも一方的でもいいから伝えたかったんです。

先生の真面目なのところが好きでした。
先生の生徒思いなところが好きでした。
先生の何事にも全力で取り込む姿が好きでした。
先生の全てが好きでした。

そして、先生のアイドルとして頑張っている姿が好きです。

これからもずっとずっと好きです。
でも、これからは生徒じゃなくて、恋とかじゃなくて、1人のファンとして、硲さんのことを好きになります。
だから、これからも全国の学生のためにアイドル頑張ってくださいね。応援してます。

PS.先生たちのLIVEのチケット取れたから見に行きますね。楽しみです！たけのこダンス誰よりも完璧にやりますから！


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｢硲さん、熱心にファンレター読んでるけどどうしたんです？｣
｢あ！もしかしてスチューデントからのレターかい？｣
｢生徒からではあるがファンレターではなくラブレターだ｣
｢｢えっ！？｣｣

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