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カラットブルー主人公について
(サンジ)

「テメェが王子とかクソ気に食わねェな」
「だから王子じゃねーっての。つーか気にくわないとか何様だ」
「黙れ! レディたちがテメェを見て王子だと騒ぐこの数日……っ! おれのハートがどれほど打ち砕かれたかっ! 王子じゃなかったから良かったものの、完璧にブロークン寸前だったんだ、おれは」
「――あ、過去に、何だっけ? プリンスだとか名乗ってたんだっけお前? ぐる眉のくせにぶふふ」
「話しながら笑ってんじゃねェ! 大体だな、テメェみたいなちびでモテない男と紳士でモテるおれとじゃ格が違いすぎるんだよ! よってテメェはおれと同じ言葉でテメェを表現するな。テメェが可哀想だから」
「比べてるのはてめーだろ……っていうか、え? モテてたのかお前。……へー……知らなかった」
「心底驚くとか本気で失礼な奴だな」
「まぁ別に、モテないわけじゃねーんだぜ俺だって。……前の島に、指輪を渡した女がいた」
「…………」
「元気にしてるかな……」
「――……恋人だったのか」
「や、アクセサリー買ってったただの客」
「海の果てまでぶっ飛ばすぞ! おれの美しい同情心を返せ!」
「嘘はついてねぇだろ。同情してくれるとは、さすが紳士は優しいねえ」
「心優しきおれを弄んで楽しいか」
「最高に」
「地獄へ落ちろ! そしてそのまま朽ちれ」
「まぁ、いつかはな」
「…………」


(いじり返しただけなのに、本気で返すなよ、アホか)
(え? 冗談だったのか?)
(や、怒りは本気だが言ってることはまぁ……って、てめェからかってやがるな!?)
(あ。悪い、紅茶用意してくれ。俺は作業に戻る)
(テメェェエ)
Si*Si*Ciao