流れ星が見たい。と言うギガさんの超唐突な提案に付き合わされることになったいつもの面々。
私は別にいいのだが、他の2人はこんな夜中に叩き起こされた所為で機嫌が悪く、凄まじい殺気を放っていた。心なしか空気が痛いような気がする。て言うか、これ絶対心なしかじゃない。痛い。
更に、ギガさんのうざいくらいのハイテンションが2人の機嫌を余計に損ねる原因になっているのはもう間違いなかった。早く流れ星見えないかなー。とやたらめったら動き回るギガさん。
私達3人の心情は一致している。お前は子どもか。ハレさんとOVERさんはきっと面倒くさいから、私は恐れ多いから、それぞれ口には出さなかったけれど。
「なまえちゃん流れ星見えたー?」
「いいえー」
「ハレちゃんはー?」
「下らん」
「OVERはー?」
「同感だ」
不機嫌ゲージMAXの2人は、もう上なんか向いていない。あまりにも不機嫌な所為か、腕組みをして地面を睨みつけていた。ハレさんに至っては、まるで彼氏待ちの彼女よろしく髪をいじりながら、片足をぱたぱたと地面に打ちつけている。ギガさんに、1円玉にされる前に帰ろうという趣旨の話をしようと思ったとき、偶然流れ星発見。一応お願いしといた。
「ギガさん、1円玉の危機が迫り来てますよ。そろそろ……、」
「えー、まだいいじゃん。流れ星見てないし」
「流れ星ならさっき見ましたよ」
私の言葉に、ずっと空を見上げていたギガさんが、ゆっくりとこっちを振り向いた。ものすごく絶望的な顔をしながら。
「え……、ちょ、なんで言ってくれなかったの?!」
「いや、なんか良からぬことをお願いしそうだなと思って」
だから黙ってました、私がそう言ったら、余程お願いしたいことがあったのか、ギガさんは膝から崩れ落ち、拳で地面を叩き始めた。「いい気味だ」「ザマー見やがれ」追い打ちをかけるように2人の雑言が降る。
「それで、なまえはなにを?」
ギガさんの絶望により、2人は不機嫌ゲージが少し持ち直したらしい。良かった。空気が苦痛だったもの。
「この御三方の頭に猫耳が生えてきますように、って」
「なまえちゃんなに願っちゃってんの!? オレらの頭に生やすより自分に生やした方が絵的に絶対いいじゃん!!」
「一体なんの嫌がらせだ? もし気に食わないことがあったなら謝ろう、全員土下座で」
「つか、テメーらは何故なまえの願いが叶う前提なんだ」
「OVER、貴様知らないのか? この世界では流れ星に祈った願いは絶対に叶うシステムになっている事を」
「なんだその傍迷惑なシステム。知らねえよ」
「そ、そうだったんだ、すみません初耳で……。実を言うと、世界平和と迷ったんですけど……、」
「迷う余地あったかそれ?」
「って事はアレ? 明日になったら頭から耳が生えてるとか、そういう事?」
ハレさんはこくりと頷いた。ごめんなさい。そんなことなら真面目に世界平和を願っておけば良かった。どうせ叶わないんだから、と適当にお願いしてしまったことを今全力で後悔しています。て言うか土下座して謝ろう。そう思って土下座。地面に額をつけて謝った。この3人の頭に猫耳が生えている様を想像して鳥肌を立てながら。