目が覚めたとき、彼の姿はもうどこにもなかった。昨日が嘘のように、片側だけが綺麗に整えられたシーツ。 日常から彼が姿を消した日。また今日も滞りなく世界が回る音がする。 わたしも彼のことを、砂の城が波にさらわれるように忘れてしまえたらよかった。 まだ身体に消え残る微温さを思い出して、きっと、いつか泣きたい朝がくる。