キラー

「そりゃ、みんないつかはしぬってわかってるけどさ、別にいまじゃなくったっていいじゃん。でしょ?」

幼馴染みの葬儀の日、なまえは質素な黒のワンピースに身を包んでいた。すらりと長い腕の先には、たった今手折ってきたという風情の百合の花が無造作に握られている。散々泣いて涙も枯れたのか、今、なまえの目元は赤いばかりで、光るものはそこにない。

「こんな泣きごと言ってたら怒られちゃうだろうけど、誰であれその存在が消えるってのはもう途方もなく悲しいことのような気がしてるわけ。だってもう二度と会えないんだよ。だからわたし、もう誰かの喪失をこれ以上経験しないためだけに自らの命を断つっていう判断が至極真っ当に思えるの」

なまえは言いながら、手に持った百合の花を眠るような彼女の顔の横に添える。
少し乱れた彼女の髪を姉のような手つきで整えると、おれを見て綺麗に微笑みながら首を傾げた。

「あなた嘲笑(わら)う?」



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