「!!」
その可能性に思い立った時、俺の脳裏には同時に一つの仮定が過ぎった。
俺の思い過ごしであってほしい、一つの仮定が。
「警部!どういうことなんですか!?」
「さっ佐藤さん、落ち着いてください…!」
「すまんが詳しい事はまだ分からんのだ。だが確保したのは事実だ。これから我々も現場に向かうがー」
「悪ィ、ちょっと抜ける!」
幸いというべきか、まだコッチも混乱してる。
より正確な情報が下りてこない以上、機動隊のゴーサイン待ちで俺達刑事は現場に踏み込めない筈だ。
俺の読みが正しければ、今回の件には公安が絡んでやがる。
それが制圧部隊の切り札なのかは分からねえが、十中八九そうだろう。
アイツらは例え刑事部所属の警察官であっても公安以外の人間には必要以上にその手を明かさない。
それならば現場検証も、残されている人質の誘導も、全て公安の手が加えられた後にコッチが任される事になる。
手を加えるという行動が意味すること。
公安に都合が悪い事は、最初から無かったことになる。
その前に、確かめなきゃならねえ。
静が此処にいるのかどうかを。
「えッ?松田さん何処行くんですか!?」
「直ぐ戻る!現場に入れるようになったら教えろ!」
「はぁ!?何勝手言って…ちょっと!」
案の定佐藤がブチ切れてやがるのが分かったがそれどころじゃねえ。ま、他の連中に任せておけば何とかなるだろ。
佐藤達に聞かれて拙い訳じゃねえが、なるべく耳に入れないことに越した事はない。
或る程度佐藤達の会話が聞こえないところまで移動し、俺は発信履歴の一番上から連続で表示されている番号を素早くタップした。
.
ーPrrrrrr.......
早く、早く!
繋がれ!
普段祈りも頼りもアテにもしない。
それでも、どこにいるかも分からねえカミサマに都合良く縋るような想いで。
ーPrrrrrr.......
出てくれと只管に強く念じながら呼び出し音に耳を澄まし、
無機質な連続音が途切れた後に、聴こえるであろう声を待っていた。
ピッ
『…はい』
カミサマってのにも偶には頼ってみても良いかもしれなァと、思った時だった。