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二人が話している様子をぼんやりと眺めながら、病院での話を思い出す。
この身体の持ち主である依代守形くんは、時々あの病院で怪我の手当を受けていたらしい。
看護婦から聞いた話では、付き添いの父親はヘコヘコと頭を下げ、「すみません。うちの子、ヒーローを目指すために特訓をしていて、よく怪我をするんです」とのことだった。
医師や看護婦は少し不審に思うも、プライベートにまでは首突っ込まないようにしていたため、詳しいことはわからなかった。
個性が発覚した後、診断を受けてから個性登録を行う。しかし、依代守形くんの個性は登録されておらず、分からず終いだった。
相澤さんから聞いた警察の話では、彼は父子家庭で母親は病死。父親は現在行方不明らしい。
…恐らく、今回の出来事と少なからず関係がある。
因みに、俺の個性は“空気”
“空気”が個性だなんて、俺の人生を表しているようで、これからも俺は“空気を読み”生きていくのだと言われているようだった。
まだ十分に理解している訳では無いが、大気中の空気を操れるらしい。医師からは、暴走したあの時息が苦しくなったのは、酸欠になったからだと言われた。
個性にはリスクが伴う。俺のこの状況も、守形くんの個性の暴走なのかもしれない。
「おい、風間聞いてんのか」
「イレイザーヘッド、独身なんですね…おいくつですか」
「30」
「相澤くん、もうちょっと身なり整えようか!」
ーーーまさかの2歳差だった。
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