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 ̄ ̄ ̄ーーー_____


真っ暗な暗闇の中...。

誰かが私を呼んでいる声がする。


「リル!!目をあけて...いなくならないで!お願い...」


この声は、戦友の声...セレナが泣いてる。

セレナは泣き虫だから、大丈夫だよって言わなきゃ...笑顔を見せないといけない。


私は暗闇を出ようと、目を開けた。



あれ?光が見えない...。

目を開けたはずなのに、近くにいるはずのセレナが見えない。

それどころか手すらも、体がまったく動かない。


まさか、あの時の攻撃で...

砲撃による火傷...

たぶん、私の体は火傷がひどいんだ。


動かない、うごかない...。


あれだけの攻撃を受ければ、当たり前だよね。

生きている事すらも“奇跡”。


ーーー今の私に、生きてる価値は?


こんな体では何もできない。誰も守れない。

敵と戦っている、戦争をしている世界にいる意味がない。


私は何故、助かってしまった...?


このままセレナに別れを言わずに、“彼”のところへ逝くべきだろうか。


私は、あの言葉の続きを聞きたい。

でも、セレナはこんな私を呼んでいる。



ーーー私は“彼”よりも、セレナをえらんだ

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