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個性的な帽子ばかりを扱う店を通り抜け、ハートの女王は奥の部屋へと歩いた。
そしてまた部屋の扉を開ける。

「ナイト、お茶会の時間だよ」

広いベッドにいつものように眠る、人型での寝相が悪すぎる眠りねずみ。そんな彼を見て、ハートの女王は毎回思う事がある...彼の関節はいったいどうなっているのかと。

「起きてナイト。またあなたを抱っこさせて?」

ハートの女王は眠りねずみの所へ行って優しく起こす。眠いと目をこする彼が可愛い。

「リデルぅ..オレ好き?」

「うん、大好き。だから小さくなって?」

寝ぼけた彼もまた可愛すぎる。ハートの女王は眠りねずみの頭を撫でた。

「オレもリデルすきー」

へにゃッと笑ってねずみの姿にパッと戻り、彼はまたねむってしまった。
クスリと笑い、ハートの女王は眠りねずみを抱き上げてお茶会に戻ろうとした瞬間、ドンッと何かに体当たりされて眠りねずみを抱いたままベッドへと倒れ込んだ...。

「ねえリデル、僕といいことしよう?なんならねずみと一緒でもいいしー」

気が付けばハートの女王の上にいる3月うさぎ。彼女の瞳はハートの女王をとらえている。

「ちょっとメリー、私はお茶会に来たんだけど?」

「うん、知ってるよ。僕もそうだし」

3月うさぎはそう言いながら、ハートの女王の首筋を撫で、その手はだんだんと上に上がりハートの女王の唇をいとおしそうに撫でては嬉しそうに微笑んでいる。

「私の催すお茶会はいつも、そのうさぎに邪魔される...リデル、相手をしてやったらどうだ?」

いつの間にか部屋の扉に寄り掛かっていた帽子屋。もう完全に呆れた顔をしている。
ハートの女王は少し考え、自分には役割上ハートの王が伴侶としているのだ。

「いや、ダメでしょ?私には一応キングがいるから...」

悠長に帽子屋と話している場合ではない。3月うさぎの手は先程よりもどん欲にハートの女王の肌を撫で回している。
そろそろ本気で抵抗しなければ、いつも発情期の彼女に襲われる。

「メリー、そろそろやめないと...その首をはねるわよ」

ハートの女王の低い、重圧を与える声。
右手に“ハートのロッド”を召喚して3月うさぎの首に突き付けた。

「僕はね、リデルになら首をはねられてもいいよ」

ハートの女王よりも、3月うさぎの方がヤバかったりする。この世界。



帽子屋の催すお茶会。
ハートの女王の膝の上で眠る、眠りねずみ。右隣には3月うさぎに騒がしく抱き付かれ...向かいには機嫌の悪い顔をした帽子屋がいる。

「いつもごめんね、ハット」

「いいんだ、リデル。私は“アリス”に慰めてもらう!」

そう言うと帽子屋は、涙をいっぱい瞳に溜めてティーカップの中の紅茶を飲み干したのだった。



いつものお茶会"

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