第四話 side理奈“会いたい”
紅葉した紅い葉が世界を染める。
生まれつき体の弱い私にとって病院の、首を動かしてベッドの横の窓から見える景色がすべて...それと幼馴染みの竜也。
こんな、真っ白な壁の病室<おり>の中から出られない私にとって何よりも大切なひと。
「今日も竜也は来てくれないの...?」
私がもう、長くないって言ってから竜也は会いに来てくれてない。
目だけを動かして壁掛けの時計を見て、何度目か分からないため息をついた。
「ごめんね、竜也...」
私の頬を伝い落ちる、さみしさと後悔の涙。
竜也のそばなら、どんなに苦しくても笑えるのに...。
もう、苦しくて、視界が歪むの...。
「..った、つや......」
私の命の危険を知らせる音が鳴り響いてる。
だんだんと、遠くなる音と意識...。
ーーー願わくば..私はもう一度あなたに会いたかった
 ̄ ̄ ̄ーーー_____
理奈を生かすための医療器具がすべて外され、涙が頬を伝ったあとの残る少し苦しそうな理奈の表情。
まだ温かく冷たい理奈の手を握り締めてはなせない竜也の姿だけが最後まで残った...。
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紅葉した紅い葉が世界を染める。
生まれつき体の弱い私にとって病院の、首を動かしてベッドの横の窓から見える景色がすべて...それと幼馴染みの竜也。
こんな、真っ白な壁の病室<おり>の中から出られない私にとって何よりも大切なひと。
「今日も竜也は来てくれないの...?」
私がもう、長くないって言ってから竜也は会いに来てくれてない。
目だけを動かして壁掛けの時計を見て、何度目か分からないため息をついた。
「ごめんね、竜也...」
私の頬を伝い落ちる、さみしさと後悔の涙。
竜也のそばなら、どんなに苦しくても笑えるのに...。
もう、苦しくて、視界が歪むの...。
「..った、つや......」
私の命の危険を知らせる音が鳴り響いてる。
だんだんと、遠くなる音と意識...。
ーーー願わくば..私はもう一度あなたに会いたかった
 ̄ ̄ ̄ーーー_____
理奈を生かすための医療器具がすべて外され、涙が頬を伝ったあとの残る少し苦しそうな理奈の表情。
まだ温かく冷たい理奈の手を握り締めてはなせない竜也の姿だけが最後まで残った...。
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