03


‐学校の音楽室‐

月曜日の朝。
中には、2人の姿。

「…………………」

ピアノの横の窓から外を見ている純也。

「…桜木…」

拓は、サックスをケースから出しながら、遠慮がちに純也に話しかける。

「……………」

純也には、聞こえていないらしい。
拓は、ため息をつき思う。

(…いつまで、この状態が続くんだ…黒木の声が出なくなってから、さらに音に感情が無くなるし、演奏会だって近いのに………)

「自分のせいだって思ってるしな…」

いつ来たのか、炎騎がいる。
全然、気づいていなかった拓。

「いつの間に…」

そんな拓のつぶやきを無視して話す炎騎。

「ルナもずっと、元気ないしな…なぁ、俺はどうすればいいんだ?」

「……何で、俺に聞くんだよ?」

「彼女持ちだからに決まってんだろ」

拓に、恋愛相談をしている炎騎。
ちょっと、ニヤけている拓。





はたして、相談相手は拓で大丈夫なんだろうか………(笑)。










‐2年5組の教室‐

1限。
いるのは数人。
窓側の一番後ろの席に座っているルナ。
席替えをして、炎騎とは離れてしまった。
ちなみに、クラス教室では授業を行いません。
時間割が空いている時などに利用が可能です。

「…あなたに出逢い……ちがうかな…」

どうやら、歌詞を考えている様子のルナ。

「…暗闇のナカ..あなたの音がきこえた……」

誰のことを想って作っているのか…。

「ルナ、ちょっと時間いいかな?」

ルナを呼びながら、教室に入ってくる男子。
彼は、天宮ソラ。
ビジネス音楽科3年3組。
炎騎と従兄である。

「いいよー♪ソラさん」

「…大丈夫?仕事の話なんだけど…」

心配そうな顔をして言うソラ。

「………………」

うつむいて、黙ってしまうルナ。

沈黙の続くルナとソラ。
2人の沈黙を破ったのは、ルナと同じ声を持つ____


「…炎騎に迷惑をかけない..そう決めたのは、ルナでしょ?」

ゆっくりと歩いて来る女の子。
一瞬、ルナを思わせる、が星羅だ。

「星羅……」

ルナは、星羅を見てつぶやく。

「声...いつから……」

驚きながら、疑問を投げ掛けるソラ。
申し訳なさそうに答える星羅。

「…声が出なくなってたのは、少しの間だけだったから……逃げてた…その方が楽だったから…」

「ずっと、逃げててよ…」

星羅と同じ声で、ルナが言う。
冷たい瞳で星羅を見ている。

「…ずっと、逃げてるよ…でも、歌姫のルナは..逃げられない」

冷たく、静かに言いきる星羅。
両手に力を込めて瞳には涙を溜めて叫ぶルナ。

「ッ…!解ってる!!……どれだけの人に迷惑をかけるかッ…!炎騎に迷惑なんてかけれないッ…解ってるよ!」

周りがシーンと静まりかえった。

「…ちょっと、落ち着こうルナ。というか、場所を変えよう2人とも…」

雲行きが危なくなっている会話。
2人を宥めるソラ_______


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