05


‐ミーティング室126‐

5限。
中には、星羅と炎騎と拓の3人。
最初に口を開いたのは、星羅だ。

「ごめんなさい…ずっと、しゃべれないフリしてて…」

「…何でなんだよ!?」

炎騎が星羅を怒鳴り付ける。

「俺も聞きたいよ。それに、桜木が気にして…」

「…ごめんなさい……」

星羅は、下を向いたままだ。
そして、少しの沈黙。
そんなところに、ソラがドアの窓から中を伺っているのに炎騎が気づく。

「ソラの奴、何してんだよ?」

その言葉につられて拓もドアの方を見る。

「開けたほうがいいのか?」

拓は、言いながらドアの方に行き、開ける。
そして、中に入って来るソラ。

「ありがとう。ところで、今度は星羅が泣いてるの?」

ソラは、心配そうに星羅に近づく。

「…泣いてない…」

星羅は、顔を下げたまま答える。

「本当に?大丈夫?」

星羅は、一瞬ぐっと唇を噛み顔を上げて笑う。

「大丈夫!」

「…それなら、いいんだけどね」

ソラは、星羅の意志をくみ取ったらしい。

「なぁ、今度は星羅が…って、まさかルナ泣いてたんじゃ…!」

いきなり、何か焦っている炎騎。

「今のニュアンスでよく解ったね…いっつも馬鹿なのに…」

ソラは、すごく笑顔で言っている。

「………………」

拓の顔が、少し強張っているだろうか…ソラの黒いセリフに気付いたようだ。

「ルナ泣いてたのかよ!?何で、言ってくれないんだよ!」

ソラの胸ぐらを掴み怒鳴る炎騎。

「…離せ…」

炎騎だけに聞こえるよう言うソラ。
声のトーンが低い。

「…ちっ…」

炎騎は、舌打ちをしながらもソラを離す。

「…ソラさん?..炎騎?」

心配そうに2を見上げる星羅。
いつもの笑顔を星羅に向け、炎騎にも笑顔を向けるソラ。

「大丈夫だよ。ケンカは、しないから..ね?炎騎」

「……………ルナのとこに行く」

炎騎は、ソラを睨み付けつつ、足早にドアへ向かう。

「…炎騎、ルナが好きなら..ちゃんと言葉にして!…ちゃんと、心をつかんでないと……」

星羅が、言い終わる前に行ってしまった。

「ルナのことになると、周りが見えなくなるね」

呆れてる感じに言うソラ。








‐北棟の使われていない教室‐

5限。
この教室は、机などが列べられていない。
特に何もない普通の教室だ。
そんな教室の窓側の壁にもたれて座る金髪の女の子。
床にライトブルーのケータイが投げ出されている。

「…………………」

ルナだ。
だが、いつもと様子が違う。
うなだれて、ドコを見ているのか…。


『♪〜月と炎〜』


ケータイの着信が鳴る。

「…炎騎…」

ルナが、つぶやく。でも、それ以上は動かない。


…何度も何度も、着信が鳴り響く…










炎騎side

くそっ!ルナ!どこにいるんだよ!?
ケータイに何度かけてもでないし……


必死にルナを探し回る。


こんなことなら、授業なんて出ないで一緒にいれば良かった!












‐ミーティング室126-

炎騎が出ていった後。

「ところで、たくって何で桜木純也のこと気にしてるの?」

いきなり話が変わる星羅。
拓は、なれているようで答える。

「何でって、演奏会とか組んでるから…それに、ずっと黒木で頭がいっぱいみたいだし…」

「それは、いいきみだね」

いきなり笑顔で会話に入るソラ。

「え…!?」

「………………」

慌てる拓。
星羅は沈黙。
ソラは、微笑んで話を続ける。

「まぁ、桜木は本当に音に感情乗せないからね…組んでいると不安になるね」

「天宮先輩、桜木と組んだことあるんですか?」

「2年前に組んでたよ。2台ピアノを…って、星羅どこに行くの?」

ドアノブに手をかけていた星羅の動きが止まる。

「…ルナのとこ…」

そう呟いて、ミーティング室を出て行く。
ドアが閉まり、拓が口を開く。

「黒月の居場所、分かるんですか?」

ソラは、近くにあった椅子に座りながら言う。

「分かると思うよ」

「…どうして、ですか?」

「ルナと星羅は、従姉妹だけど…双子以上に似ているからね...」

意味深な言葉を、黒い笑みを浮かべて言うソラ。

「………………」

初めて見るソラの姿に驚きを隠せない拓。


[ 16/31 ]
[*prev] [next#]
[戻る]