03


星羅side

ステージに座りながら、ぼーっとしている。
周りがオレンジに染まってるけど…

頭の中は



「…何で、桜木純也がでてくるの?」



考えている事が口から音になる。
ふと、空を見上げ“何かに”気づく…。



「………これが...好きになるってこと……?」



何故だか…言葉にしてみるとしっくりとくる。

頭の中に桜木純也しか浮かんでこない…///



「ッ…なんでッ…///」



気づくと、顔が熱い。

絶対に私の顔は赤いよ…!!







‐南公園‐
夕方。

「何で、こんなとこに…」

そう一人言を言ってるのは、桜木純也だ。
公園の中を歩いているうちに、ステージ上に星羅を見つける。

「星羅…」

思わず下の名前を読んでしまう純也。
考える前に、体が動く。
観客側から星羅に近づいて行く。

「!?…今、名前を……」

ふと、我にかえる純也。

「…桜木..純也……?」

星羅は、純也に気づいて言う。
そして、ステージから下りて純也の前に行く。

「…ぁの…今、名前……」

おどおどと言う星羅。

「ぇ…っと、それは……」

少し慌てる感じの純也。

「……名前…」

何だか星羅は、嬉しそうな顔をしている。
そんな星羅には気づかずに、いつものキャラを装いつつ言う純也。

「今のは、聞かなかったことにしてくれ…」

「ぇ…?」

星羅は、とても小さな声で呟く。
純也は、何ともいえない顔をしている。

「なんでもない……」

純也は、そう言って星羅に背を向けて歩いて行く。

「………怒ってる?...私が、悪い…?」

純也の背中を見送りながら、考えている事が口から出ている星羅。



純也side

何故か、南公園に来てた。用なんてないのに……



「星羅…」



公園のステージに黒木を見つけた…

そして、黒木に近づいて行く……って…



「…今、名前を……」



自分でも不可解な行動に足を止める。

俺は、何を……



『…桜木..純也……?』



気づいたら、黒木が俺の名前を呼んでいた……何か…いい



そんなことを思っていると、目の前に黒木がいる。



『…ぁの…今、名前……』



…可愛い…って、違う!



「え…っと、それは……」



何て言えば良いんだ!?



『……名前…』



何してんだ、俺……
前に戻れば良いんだよな?



「今のは、聞かなかったことにしてくれ…」



嫌いだって、言われたしな…

もう、いいか…

もう…どうでも…。



「なんでもない……」



そう言って黒木から逃げた。






…好きだ…星羅...





俺の――Diva――


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