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「…あれが、星の..意思……」

ルキアはベッドの上で目を覚まし、呟いた。ここは女王の寝室である。

「あいつのせいでッ…!!」

怒りを呪詛にかえて、ベッドから起き上がって座ったルキア。そして、“まだ傍にいる”と言った声は誰なのか…考えている。

「どこかで聞いたような…」

コンコンと部屋をノックする音が聞こえると、声がかけられた。おそらく城に仕えるメイドだろう。

「……………」

ルキアは居留守を使う。今は誰とも関わりたくないのだ。
機嫌の悪い時や、精神的に疲れている時などは…他人を攻撃して傷付けてしまう事を、ルキアは理解している。

(何でこんな私を“女王”になんて選んだの…?他人をキズつけるしかできない私を……)




















聖ライトシャイン学院の姉妹校である聖霊魔術学院。
ここもまた、独創的に美しい校舎や少しミステリアスな中庭を思わせる。

「…ルキアに女王が務まるわけがない」

そう呟いたのは緋友。
今は授業中の時間帯だが、校舎のかげで1人…何やら“白”の結界をはった中で寝転んでいた。

「……ルキアは破壊の能力を使ってたのか…」

最近のルキアを思い出して、分析していた緋友はマジシャンの遺伝子ゆえか…ルキアには絶対に女王は務まらないという結論に辿り着く…。

「ルキアなんて..大っ嫌いなんだよ…!!」

怒りに任せて緋友は、右腕を振り下ろした。
その右手には“魔力”を表す“黒”の光を纏っていた。
バリッとコンクリートの地面に亀裂が入った…。
ルキアに対するその感情は、何処からくるものなのか…。

「ルキリア…」

緋友は誰かの名を呟きながら、“白”の結界をといた。
立ち上がると歩きだして聖霊魔術学院を後にした。





















運命は動きだしている…

時間の神・クロノスの支配を一時でも受けなかった者達は……


歪んだ存在として、再び生きることを許される・・・・・



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