たくさんの初めてを君と

「轟くん!誕生日おめでとう!!」
「……?! ??!!」

扉を開けると、輪飾りで彩られたいい匂いのする部屋と、クラッカーを鳴らすなまえが雷市を出迎えた。
雷市は困惑した様子で手を引かれて、促されるままに真ん中の席に座らされた。

「轟くんが好きなもの、バナナ以外分からなかったから、とりあえずおめでたそうな食べ物いっぱい集めてみた!」
「すげー…!ケーキでけえ…!なんだこの肉…鳥……?」
「七面鳥だよ!クリスマスに食べるやつ!」

こっちは、こっちは?と次々に質問をしてくる雷市に、思わず眼を細める。こんなに喜んでくれるなら、何日もかけた甲斐があったものだ。これだけで充分な気もしたけれど、なまえはそっと隠していたプレゼントを手に取った。

「あとこれ、その……誕生日プレゼントです」
「………、おまもり…?」
「その、野球関係の何かがいいのかなーとも思ったんだけど、もし見当違いのものだったら申し訳ないし…」

自分で作ったから、ご利益ないかもだけど、と付け足してなまえは押しつけるようにしてお守りを雷市に渡す。雷市は手のひらのお守りをじっと見つめたあと、確かめるようにぎゅうっと握りしめた。

「俺……こんなにして貰ったの…初めて、だから……すげー嬉しい」
「轟くん…」
「その、ありがとう…苗字、さん」

雷市が視線を右往左往させながらそう言うと、なまえは幸せそうに口元を綻ばせた。

「轟くんが喜んでくれて、私もすっごく嬉しい!」
「……!! …、…?」

(どき?)

「? どうしたの?」
「あ、いや……カハハ…!」

(なんだ、これ……)

なまえを見るたびにどくりどくりと脈打つ胸に、心に芽生えた初めての感情に、雷市は頬を染めたまま考え込むのだった。
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