みゆきちゃんに惨敗



 誰にでも得手不得手はあるものだ。そう、だから私が今どんなに頑張ってもプリントを埋められないのも、仕方のないことなのだ。

「嫌い‥この世で一番数学が嫌い‥生きていく上で算数以上の計算が必要とは思えない‥‥」
「やーい万年数学欠点女〜〜」
「今までで一番御幸に殺意沸いてる」

少なくともおまえも私を笑えるほどの頭じゃないくせに!と、言い返せなくもなかったけど、数学においては分が悪い。どれぐらい悪いかと言うと、私が詰まってる問題がまだ問2であるということで察してしまう程度には悪い。

「俺も自信ねーけど貸してやろうか?」
「冗談‥後で百倍にして返させる気でしょ」
「冗談にしてもいいけどお前それ終わんの?」
「‥‥‥」

分が、悪いんだ。今回ばかりは。ほんとに。去年と同じ特等席にいる私は、言わば離れ孤島なのだ。前の人と喋ったことないし。斜め前の人とも喋ったこともない。無理。勝てない。今回ばかりは御幸に勝てない。悪すぎる。胸糞が。

「次の授業までに返すから持って帰ってい?」
「おー」

とりあえず、返す前にラクガキしよ。



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