みゆきちゃんは飛び跳ねる
「あ」
「お?」
念願のお昼休み、鞄を漁ってあちらこちらと手を伸ばしてみるけれど目的のそれは手に当たらない。まさかと思いつつも鞄の中身を全部取り出してみるけれど、出てくるのは「ゴミばっかじゃねーか」という御幸のヤジばかりで、私の探していたものは見当たらなかった。
「御幸ちゃん」
「何?この前のお礼に全財産くれるって?」
「残念ながら真逆ですね〜〜」
おまえがみゆきちゃん呼びする時はロクなこと言わねーな、と聞こえた気がしたがきっと空耳だろう。机からスッとプリントを取り出し、右手にハサミを構えた。
「ジャンプしてみろジャンプ」
「いやいやいつの時代だよ」
「このプリントが惜しくばさっさと出した方が身のためだぞ」
「脅迫かよ!」
なかなか形勢逆転しないなと不機嫌になりながら、ジャラジャラと音を鳴らしてジャンプする御幸を睨みつけていると、御幸は何かを考えるようなそぶりをしてから、私の眉間のシワを突く。
「もっとこう、可愛くおねだりできねえの?」
「‥‥‥してほしいの?」
「いや、そんなに」
「命が惜しくば金を出した方が身のためだぞ」
「惜しむものが命になった」
素直に財布を献上してきた御幸に、ようやく昨日の負けを取り返したような気持ちになった。どうだ、見たかこのチャラ眼鏡!私に楯突くからこうなるのだ!と、心の中で高笑いする。小銭で返すの面倒だし野口さんを取り出すと、ジャンプさせた意味は?!とツッコミが入った。
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