みゆきちゃんの手料理



「苗字〜」
「んだこら〜」
「ハイこれ、プレゼント」
「は?」

御幸が風呂敷で包んだ何か、というか明らかに弁当が入ってそうな、いやむしろ確実に弁当を私の机に置いた。
訳もわからず疑問符を浮かべながら御幸を見上げていると、いいからあけろと急かすので仕方なく開けてやる。そこには弁当箱いっぱいの女子力が詰まっていた。

「‥‥一応聞くけど、誰が作ったの?」
「俺」
「御幸‥お前はいいお嫁さんになるよ‥‥」
「せめて婿にして」
「で?これなに?」

コンビニで買ったおやつか、はたまた購買で買った惣菜パンか。そんなものしか食べていない私にとって目の前の彩り豊かな可愛らしいお弁当は正直異世界でしかない。
困惑しながら美味しそうなおかずを見つめていると、痺れを切らしたのか御幸が箸でそれを掴んだ。まま、バカ丸出しのようにあんぐり空いた私の口に運んだ。

「どう」
「‥‥‥‥‥美味いですけど」
「だろ?もっとちゃんと食え」

ほら、と箸を手渡されてあれよあれよと流されるままに御幸の弁当を食べ終えてしまった。普通に美味しいんだけど何?私餌付けされてる?

「食い終わった感想は?」
「御幸‥私のお嫁さんにならない?」
「はっはー だからせめて婿にしろっつってんだろ」

御幸が美少女だったらよかったのに、と小言を漏らしながら、手を合わせてご馳走様を言うと、御幸が「するめいか食ってるの見てたら可哀想になってさ」とかぬかすので、やっぱり美少女でも御幸をお嫁さんに貰うのはやめといたほうがいいな。



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