「‥‥なんで机二個も置いてんの」
「別に、深い意味はないですよ?」
「‥‥なまえさんって、嘘つくのほんっと下手だよね」

今までは1つの机で勉強していたのに突然2つ並べてるということは、あからさまに警戒してるってことだろう。
つまりそれは、言い換えれば俺のことを意識してるってことだ。荒療治だったかもしれないけど、弟枠脱出という意味では大成功だ。

「そんなに警戒しなくても、別にとって食いやしないよ」
「‥‥鳴くんの言動は、先生に対する態度じゃないと思います」
「‥‥‥は?先生?」

あまりに突然のことすぎて、机をバンと叩いて立ち上がったなまえさんにうっかり「手痛くないの?」なんて気の抜けた質問をした。

「思いの外痛いよ!でも!鳴くんが私をちゃんと年上扱いしてくれないことの方が痛いです!心が!」
「年上扱いって‥」

俺は年下扱いされるのが嫌なんだけど!と抗議すると、してないよ!と反論してくる。してるでしょ!年上扱いしてほしいっていう時点でどう考えたってしてるでしょ!

「たとえば‥ほら、勉強中くらい敬語使ってよ!」
「ええ‥何今更‥‥別にいいじゃん」
「敬・語!」
「はいはいわかりましたよーなまえセンセー」

ムスッと頬を膨らませながら昨日より遠くなった席に着くと、少し離れた距離にいるなまえさんが先生のフリでもするみたいに授業開始の宣言をした。そういうところが子供っぽいって言うのに。


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