星原を最後に見かけてから、二週間が経った。見逃してやるもんかと何度も星原の教室に行ったけど、何度確認しても星原は来ていなかった。
一度痺れを切らして先生に訊いてみたけれど、体調が悪いということ以外何もわからなかった。何がどう悪いのかもわからないなんて、現代社会的にどうなわけ?なんて愚痴を言う相手もいないわけで。ああ、せめて星原の唯一の友達とやらの名前だけでも聞いておけばよかった。そうすれば、その友達が連絡をとってるかもしれないのに‥と。
「あ」
そこまで考えて、はたと気付いた。
「連絡先、聞いとけばよかった‥」
「誰の連絡先ですか?」
机に両腕を投げ出してうなだれていると、頭の上からそう問う声がした。それが誰か、だなんて、顔を上げなくてもわかる。
それでも顔を上げたいと思うのは、悔しいけど‥‥少し、寂しかったからなのかもしれない。
「星原!」
「あっはい!星原です!こんにちは!」
敬礼をするようなポーズをとる星原に、自然と笑みが溢れる。けれどそんな俺を見て笑う星原に、少し違和感を憶えた。
前より、ちい、さい?
「星原、縮んだ?」
星原は大袈裟に「ええっ?!」と声をあげると、俺の隣に並んで差を比べ始めた。縮んでない、成宮くんが大きくなっただけだと膨れる星原はやはり、少し小さい。
「星原もちゃんと食べてちゃんと動かなきゃ大きくなれないよ?」
「う〜‥わかってますけど‥」
未だ頬を膨らませたままの星原に少し安心感を覚えながら、先ほどの会話を思い出す。けれど、どうやら星原は携帯を持っていないらしい。せっかくもっと安心できると思ったのに。現代人としてどうなのさ、バカ。