05:午後12時の休戦

仲良くして欲しいとは思っているが、そんなことを言うのはあまりにも酷なことだろうと考えていた。

いろんなところを怪我…破損したデプスチャージは今、なんだかよくわからない装置に入れられていた。人間の私にはよくわからないし、きっと聞いてもわからない仕組みである。ライノックスに任せておけば間違いはないのだ。

心配なのは向こうの方で。デストロンにもこういった装置とか機械とかはあるのだろうか。もしかしたら、必要なくなれば捨てられるとか、そんな感じなのかもしれない。それならば、直す装置なんて無いのかも。

デプスチャージが作ったものか、誰が作ったかはわからないが、前に渡されたカニサーチと呼んでいる小型の機械を使ってカニを探すことにした。デプスチャージは自分の感覚やらでランページが近くにいたりするとわかるらしいので必要無いのだという。
本当はこの位置を確認する機械を使ってランページを避けて欲しかったデプスチャージだが、裏目に出たらしい。


岩場の陰、カニは潜んでいた。
お前はカニか、と思ったが、そうだカニなのだ。

どうやら刺さった破片を抜いたり、取れたパーツを繋いだりしているらしい様子だ。


「居た!ランページさん」

「そこにおるのはカオか?何じゃ、ここにおるのは言っとらんはずじゃ…愛の力かのー…」


違うけど。そんな野暮なことは言わないが。

カオはランページに近寄ると、痛そうな破損部位に顔をしかめる。


「かっこ悪いところを見られてしもうたわ。もう少し後で来てくれたらピカピカのわしじゃったのにのう」

「だって心配だったので」


ランページはギュウっとスパークを握られたかのような感覚に襲われる。

心配してもらえたことは嬉しいことなのか、それとも悲しむことなのか、かっこ悪いことなのか、ランページには迷いがあった。


「治るまで居てもいいですか」

「かまわんが」


ちょこんとランページの隣の岩に腰を下ろす。

何じゃ、緊張するのう。ランページはなかなか、普段よりもおとなしくなっていた。

ミューちゃんは友達じゃったが、カオはどうだろう。友達じゃろうか、それとも自分は何と思われているのだろうか。


「痛そう」

そう言いながら目を向けるカオの顔はなんだか、あの時のミューちゃんの顔を思い出していけない。

「すぐ直るわい。これくらいなんでもないわ、カオは…怪我しとんらんのか?」

「私は全然。デプスチャージが守ってくれていたので」

「それだけはエイヒレを褒めてやらんといかんのー」

ランページの破損部位の穴が鈍い音を立てて塞がる。
塞がったところをカオが触ると、ビクンとランページは肩を跳ねさせた。


「な、不純異性交友じゃ!カオはそんな不埒なこと…!」

「ちゃんと治ったのかなって思っただけですよ!」

「直っとるわ!大丈夫じゃ!」


柔らかかった、柔らかかった…とランページはカオの感触に頭がいっぱいになってしまった。

こんなに柔らかいのか人間は。