08:午後6時の解放

酷い拷問をされたり、殺されたり。そんな酷いことをされるのだと思っていたのだが。

「なーにが、わしのモンじゃー!だ。聞きましたか奥さん、そんな今時自分のもの発言堂々とする?聞いてるこっちが恥ずかしいっての」

ペラペラとメガトロンは独り言なのか、こちらに向かって言っているのかわからないことを喋ってはため息をついていた。

は、はあ…と反応に困るカオの横で、ランページは恥ずかしいのか赤くなって茹っていた。それはまるでボイルされているようだった。


「カオちゃんね、あーたどうして連れて来られたかわかる?」

「人質…それとも、尋問、ですか?」

「最初はね。でも何かそこの猿蟹合戦とワケありみたいじゃないの。清い男女交際を!まったく、部下がゴツにギチョにダーだからまともなおつむの珍しい生き物とそうも思って拉致したのに」


よく喋る人だなと素直に思った。これだけだと悪い人には見えないのだが。


「カオに手ェ出したらわしゃどうなるかわからんけえな」

「内部での争いはごめんだよ。まともな部下が減っちゃうデショ。残されたら一人で幼稚園の先生しなきゃいけないんだからさー!まいっちゃう」

「でもフニャフニャで良いオモチャって感じギッチョンチョンー!」


どこからか現れたデストロン(変な喋り方)に、少し怖くなったカオはランページの方へ少し寄った。
ああ近い…これがもっとドラマチックな場所ならばとランページは肩を落とす。


「やめなさい新入生いじめは!」

「ギッチョンチョンー!」


なにやらサイバトロンとはまた違う賑やかさを感じる。


「ランページさん、デストロンって…」

「アホに見えるかもしれんが、カオなんぞ一捻りじゃろうなあ。わしから離れんようにするじゃぞ」


ますます怖さが増したカオはビッタリとランページの足にくっついた。
今頼れるのはランページだけである。


「お嬢ちゃんをどうこうする気は無いんだよね。そうすると番組がR指定になりかねない」

「は、はあ」

「うちにはそう花が無くてね、給仕さんとか、うーん、そう、メイドさん?事務?そういった人材の確保もしたいわけ。お触りは無し。どうかなお嬢ちゃん」

「しゅ、週3くらいなら」


決まりー!とクイックストライクが叫ぶと、本気かおどれらはとランページが一番ポカンとしていた。


「カオよう考ろ!おどりゃ、メイドにされるんじゃ!デストロンの!」

「で、でも、殺されないし、週3くらいなら、大丈夫じゃないかな」


サイバトロンに戻ると、コンボイもデプスチャージも頭を抱えていたと後に語られた。