12:午前1時の電話
外出禁止にされてしまったカオはサイバトロン基地に居た。
「あ、あのー…」
ギロリ。
なにかを話しかけようとすると、デプスチャージは血走った目をこちらに向けた。
もうお説教は御免である。
カオはおとなしく基地内で時間を過ごしていた。
ピピピ。
通信が入ったのはお昼を過ぎた頃。外出しているチータスだろうかと通信スイッチを入れると、何とも馬鹿にでかい声が耳を駆けた。
「カオ!わしに会えんで泣きよるんじゃないか!」
「カニさん?!何かけてきてるんですか!サイバトロンですよこっちは!」
「泣きよらんのか。なんじゃ、つまらんのー」
最近時々サディストぶった言葉が出てくるなあとカオは思う。本心ではないのだろうが。
それほど長い間会っていないわけではないが、ホッとするのは不思議なもので。
モニターをつければ、「本当に泣きよらんし…本当につまらん奴じゃ」とランページは文句を言った。そんな文句を言われても、顔を見ればまた続けてホッとした。
「泣きはしませんでしたけれど、今すごく嬉しいです。愛されてるんですね私は」
「言うようになったのう」
ランページはばつが悪そうに頬を掻く。
「…目ェ瞑れや」
「え?」
「ええから近う寄って目ェ瞑るんじゃ!」
モニターに近寄るとは一体。嫌がらせに機械爆発させたりしないだろうかと疑問を持ちながら、カオはできるだけモニターに近づいた。
しゅじゅ、ちゅ。
「…まだ開けちゃダメですか?」
「もうええ」
「なんだった…んで…」
尋ねかけてモニターのランページの顔を見ればとんでもなく真っ赤になっていたわけで。
「ランページさん、風邪ですか」
「な、何でもないわ!」
「もしかして今」
「言わんでもええ!」
「カニさんのくせにそんなドラマみたいなことをしたんですか!ちょっと!」
「やかまし!ええい!もう切っちゃるぞ!回線チョッキンなーじゃ!」
ちょっと!とカオの問いかけにも答えずランページは乱暴に通信を切った。
先日のクイックストライクの件がよほど悔しかったのかランページは似合わないことをした。
モニター越しのしゅじゅちゅのおかげで、カオはその日熱を出したらしい。