おしおき
「今週も始まりましたメガちゃんといっしょのコーナーです。なんてことは言ってないで今日も今日とて悪事に励みましょう〜あらほらさっさー!」
長い独り言だ。そんなツッコミをする者はここには居ない。むしろ盛り上がりつつある。ハチはぶうん!と羽音を立てて、ギッチョンはギッチョンと踊り、アリは敬礼をする。
隣のランページを見ると、ランページだけは早くこの時間が終わればいいのにという顔をしている。とにかく暴れたら良いというのに、細かな作戦などたてている場合かとランページは思っているのだ。
カオが自分で思うよりもじっと見てしまっていたのか、ランページは視線に気がついた。
「カオがわしを見つめとる…」
と、ランページは内心きゅんとしていた。早い所暴れて、早い所カオと話などをしたい。そんな思いからランページもじっとカオを見る。
「そこ!いちゃつくの禁止!」
メガトロンの一声と共にダイノボットのスパークがギュッと握られる。
「ぎゃー!やめ、何もしとら…ぎゃー!」
カニの悲鳴。バタンバタンとのたうち回り、痛みにもがき苦しむ甲殻類。
「ラ、ランページさん…大丈夫?」
「カオ…あー、カオが居てくれたら大丈夫じゃけえ…」
ランページがカオの手を握りしめると、またも良い雰囲気になる。
「いちゃつくなっつーのに!ンもー…もういっそあつく茹で上がりなさい!美味しくいただいちゃうから!」
「な、何言うとるんじゃあ!別にいちゃついとらんわい!」
「やだねー無自覚ってほんと!何度も!むっつりガニ!」
それからランページはしばらく、アリたちに『むっつりガニ』とあだ名をつけられ、そう呼んでいるところを見たデプスチャージは怒りにふるえていた。