ごもっとも

カニやエビは痛覚がないらしい。

「痛覚ないの?」

「痛がっとるところ見とるはずじゃろ」

そういえばスパーク握られた時は痛がっていた。

「痛くないと危険がわからないから痛いんだって話を聞いたことがある」

「それでも要らんもんじゃろう、わしは要らん。戦闘の邪魔じゃけえ」

カオはランページの手を触る。自然とランページの目線はカオに降りた。

「死のうとしてるみたいで心配になるじゃない」

「死にはせん、しかし…」

「なに」

「わしが死んだらカオはどがいな顔をするか見てみたいのう」

ランページはニヤニヤとカオを見ては笑う。意地が悪い。

「そしたらいっぱい泣いてやるから」

「おーおー泣けえ泣けえ」

泣けば泣くほどランページは嬉しいのだ。皮肉なことにきっと、泣いた程自分のことを思ってくれているのだから。