07:HE OR SHE
見張り当番。
カオは面倒見てるお前が連れておけ、ついでに盾にでも使いなさい!とメガトロンはクイックストライクに命令をしている。
夜行性のクイックストライクとは違い、カオは日付がまわれば、ついうとうととしてしまうのだった。
見張りの仕事は自分の仕事だから寝てもいいよとカオに伝えれば、すぐに寝入ってしまった。もたれかかるところを探して、カオの身体はクイックストライクに寄りかかる。
「カオちゃん…!」
くすぐったいわ、バッコンバッコンとスパークは脈打つわでクイックストライクは背筋がのびる。
夜間特に変わったこともなく、一度ランページの出入りがあったのみ。ナビ子ちゃんも『異常な〜し!』と元気に返事をした。
朝方、カオも目を覚ます。今の時間で言う所の4時前。
「クイックストライク、おはよう…」
「ンン、おはようギッチョンブラァ」
「しっかり寝ちゃった」
「寝言言ってたギッチョン」
嘘だ。少しからかってみたくなっただけ。クイックストライクの嘘にカオは思ったよりも慌てふためいた。
「な、何言ってた!?変なこと言ってた?」
「ナイショブラァ」
カオは顔を真っ赤にして教えて欲しいとクイックストライクを揺さぶった。大方、食べ物の夢でも見ていたりしたのではないかと思い、クイックストライクは嘘の秘密をつらぬく。
「何の夢見てたか教えてくれたら、こっちも教えるギッチョン」
カオの揺さぶる手が止まる。
ハテ。クイックストライクはカオを覗き込むが、カオはクイックストライクの顔を見ようとしない。
「……クイックストライクが出てきたの」
『わ〜!』というナビ子ちゃんの声がクイックストライクに届いたかはわからない。オーバーヒートしたクイックストライクは湯気あげて倒れた。